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【奈绪美的故事(日文版)】(0-8)作者:高野奈緒美
送交者: 齊人[☆★声望品衔8★☆] 于 2023-01-29 7:02 已读 1966 次 3 赞  

齊人的私房频道

回答: 【奈绪美的故事】(0-16)作者:高野奈緒美 由 齊人 于 2023-01-29 6:59

ある性転者の告白
高野奈緒美 cool18.com

序-1 cool18.com

  私は今、都内の某住宅街の古びた屋敷でメイドとして暮らしています。 cool18.com

  私がこの屋敷に初めて足を踏み入れたのは、今から4年前の夏。 cool18.com

  ある三人の男と一人の女によって、私のここでの生活が始まったのです。 cool18.com

  私はこれから、この4年間に私の身に起こったことを、できるだけ詳しくお話しようと思いますが、思い出したくもない辛い出来事も多くて、もしかしたらお話が途切れ途切れになってしまうかもしれませんが、どうぞお許しください。ただ、それほど時間をかけられないこともわかっています。「十日間で書き上げること」が、ご主人様方がお与えになった命令ですから・・・。 cool18.com

  4年間の体験をお話しする前に、現在の生活についてお話しさせてください。 cool18.com

  今、私がこの屋敷で、メイドとして暮らしていることは、初めにお話ししました。 cool18.com

  でも、それは表面上のことで、本当は、別の顔(いえ、もしかしたら、そちらの方が主だと言えるかもしれませんが。)を持っています。もちろん、ご主人様方の身の回りのお世話もさせていただいておりますが、それ以上に重要な仕事として、ご主人様方の性的なお相手、いえ、もっと平たく言ってしまえば、「性奴隷」としてのお勤めをさせていただいているということです。 cool18.com

  私は、毎朝起きると、部屋のテーブルの上に置かれた一枚の紙片に目を通さなければなりません。そこには、その日のコスチュームからメイクから、何から何まで事細かに書かれたご主人様方からの指示があるからです。 cool18.com

  今は、白いレースがあしらわれた黒いサテン地のフレンチメイドの衣装を着ています。メイクは、少し濃いめでルージュは深紅のセクシーな色。鏡に映してみるとたっぷりとグロスを含んで淫靡に輝いています。そんなメイクを少女のような可憐な顔立ちの上に施しているのです。さらに、フレンチメイドの衣装と言っても、部屋のドレッサーに入っているのは、普通のものはありません。丈が極端に短くて股下5センチもなく、胸元は深くカットされていて、今ではHカップにまでふくらんだ巨大な乳房を、申し訳程度に覆っているにすぎません。鏡に映る私の姿は、自分が、男性の目を楽しませるだけの存在であることを思い知らせてくれます。いつもなら、この後、ご主人様方から呼ばれるのをじっと待ち続け、言われるまま、恥ずかしいお仕事をしなければならないのです。 cool18.com

  でも、今日から10日間だけは、こうして告白を書くことに時間をいただくことができ、少しホッとしていますが・・・。 cool18.com

序-2 cool18.com

  さて、ここで、長い告白を始める前に、申し上げておかなければならないことがあります。それは、私の性別についてです。皆さんは、ここまでのお話で私の性別が女であることに、何の疑いもお持ちではないでしょう。けれど、実は私の本当の性別、つまり、戸籍上の性別は・・・れっきとした男性なのです。 cool18.com

  私は本名を高野直樹と言います。戸籍上はもちろん、生物学的にもれっきとした男性です。しかも、つい最近までは、戸籍上、既婚者、つまり妻もいたのです。 cool18.com

  でも、今の私の姿をご覧になって、それを信じてくださる方は、誰一人いないと思います。 cool18.com

  この屋敷に住むようになる前、つまり、まだ、男性として生活していた頃の私は、172センチ55キロと、平均的な男性としては、少し細めでしたが、ごくごく平凡な男でした。それが、この4年の間に施された様々な手術や投薬によって、今のこの姿になったのです。 cool18.com

  身長160センチ・体重40キロ、Hカップのバスト、大きくふくよかなヒップ、そして下半身には、まごうことない女性器さえあるのです。しかも、信じられないでしょうが、定期的に生理の煩わしさも経験しています。最新の臓器移植によって、体内に卵巣と子宮が埋め込まれているからです。つまり、いつでも妊娠の危険性を持っているということです。そんな身体にされた当時は、シャワーに入るたびに、自分の変わり果てた姿を鏡に映し、涙することもありました。そんな気持ちも、今はすっかりなくなってしまっていますが・・・。 cool18.com

  今、私は、ご主人様方からいただいた「奈緒美」という名前の、一人の女性として暮らしています。いつかは、この屋敷から逃げ出すことができるのではという淡い期待も、すっかりなくなってしまいました。第一、この姿で自由になれたところで、どんな人生を送らなければならないか、考えただけで恐ろしくなってしまいます。 cool18.com

  では、時間も限られていますので、告白を始めたいと思います。 cool18.com

第1章 cool18.com

  私は、大学を卒業してすぐ、先輩・友人と共にコンピューターのソフト会社を設立しました。幸い、設立後1年で会社は軌道に乗り始め、同時に収入面でも充実したものになっていきました。会社からは、「専務」という肩書きをもらっていました。まだ、二十三歳という若さにも関わらずです。もちろん、会社設立当時は死にものぐるいで働き、まったく休みもないような状態でしたが、金銭的に余裕が出始めると、ちょっとした浮気の虫が出てきたのです。 cool18.com

  私は、大学卒業後、すぐに西村涼子という女性と結婚しました。彼女は大学の同級生で、二年の時からつきあいでしたが、若気の至りと言うべきか、それほどの恋愛感情もないままに、ただ、性的な満足というか、恋人らしい存在を持っていたいという、やや不純な感情でつきあい始めたのです。そんな彼女と結婚しなければならなくなったのは、四年の時に彼女が妊娠したという理由からです。いわゆる「できちゃった結婚」というわけです。ただ、残念ながら、あることで、子供は流産してしまいましたが。 cool18.com

  私は、妻に対し、元々恋愛感情が乏しく、それほどの深い愛情も抱いていなかったので、生活に余裕が出ると、当然のように、気持ちが不倫に向いていったのです。 cool18.com

  当時、私の事務所には加藤結花という、一つ年下の社員がいました。外見はスリムで、短大時代はモデルのバイトもしていたという美しい女性でした。性格的にも穏和で優しい雰囲気を漂わせていて、とても魅力的な女性でした。 cool18.com

  私たちは、若い重役と社員という関係でしたが、いつしかお互いを異性として意識するようになり、ある日を境に関係を持つようになったのです。そして、単なる遊びとしての不倫がいつしか真剣に愛し合うようになり、本気で結婚を考えるようになったのです。そうなると、当然、妻とは離婚しなければならなくなります。 cool18.com

  結花との関係が一年目を迎えた頃のある日、私は思いきって涼子に離婚したいということを告げたのです。私からの離婚の申し出に対して、涼子の心の動揺は非常に大きなものでした。それはそうでしょう。表面的にはとてもうまくいっているように見えた夫婦が、ある日、突然、他に好きな人ができたから別れたいという言葉で、その生活に幕を閉じることになるのです。私はいささかなりとも罪悪感を覚えましたが、結花を思う気持ちを抑えることはできません。その日、私は、泣きながら声を荒げる涼子を必死に説得しましたが、とうとう同意を得るまでには至りませんでした。 cool18.com

  翌日からの私と涼子の結婚生活は、まさに「仮面夫婦」そのもので、お互いに一言も口をきかない日々が何日間も続きました。そして、そこのことと呼応するかのように、涼子の外出が目立つようになり、帰宅時間も遅くなっていきました。しかも、その外出時の外見と言えば、服装もメイクも派手になり、それまでどことなく地味だった印象はすっかり消えてしまっていました。そのことはとても気になっていたのですが、夫から突然の離婚の申し出による寂しさが、その行動の元になっていることは明らかでしたので、注意することさえできなかったのです。 cool18.com

  そんなある日のこと、いつものように会社帰りに、結花と待ち合わせて食事に行った時のことです。結花の、いつもの明るい表情が急に曇り、大きな瞳にいっぱいの涙を浮かべて訴えるように言ったのです。彼女の話によると、このところ連日のように嫌がらせの電話がかかってきたり、帰宅した時に自宅のマンションの部屋の前に不審な荷物が置かれていたり、帰宅途中で誰かにつけられたりするというのです。私は、とっさに妻による行動だということを察知しました。 cool18.com

  帰宅後、妻の帰りを待ち、問いただしたのですが、涼子は「そんなこと知らないわよ。」という返事を繰り返すだけで、それ以上は口をつぐむだけでした。私は、涼子の復讐心の高まりが止めようもないほどに高まっているのを感じ取り、いよいよ離婚を急がなければという気持ちになったのです。 cool18.com

  翌日から、私は遅い妻の帰宅を待ち、連日のように離婚への説得を続けました。私は焦りと恐怖にも似た感情を抑えることができなくなっていたのです。なぜなら、その間も結花に対する嫌がらせはエスカレートする一方で、結花自身もかなり精神的に参っているのがわかったからです。 cool18.com

  私は、会うたびに、大粒の涙を浮かべながら、訴える結花を抱きしめ、「もうすぐだから、それまで待ってほしい。」と慰めることしかできなかったのです。 cool18.com

  そんなある日のこと、帰宅したばかりの私に電話がかかってきました。それは、妻の涼子からのものでした。 cool18.com

  「もう、あなたの気持ちはわかったわ。離婚届けに判を押してあげるから、今すぐここに来て・・・。」 cool18.com

  妻は、電話口でそう言うと、今、自分のいる住所を事務的に告げてきたのです。私は、涼子の豹変ぶりに、一瞬、自分の耳を疑いましたが、 cool18.com

  (ついに離婚ができる。これで、結花と暮らすことができるのだ。) cool18.com

  と思い、取るものもとりあえず、指定された住所に向かったのです。ただ、妻の後ろで聞こえてきた複数の男の話し声や妻の言葉の冷たさに、少しばかり、異様なものを感じはしていましたが・・・・。 cool18.com

第2章-1 cool18.com

  指定された住所に、迷いながら、たどり着いた時には、もうすでに夜の十一時近くになっていました。その場所は、某住宅街の古びた洋風の屋敷で、かなり大きな敷地を持っているのが、塀の外からもわかりました。 cool18.com

  そうです、その屋敷こそ、今、私がこうして暮らしている屋敷なのです。 cool18.com

  私は、恐る恐るインターホンに手を伸ばし、一度、深呼吸をしてから、指先に力を入れ、思い切って、ボタンを押しました。やがて、中から聞き慣れた妻の声が返ってきました。庭先を20メートルほど歩き、玄関のドアの前に立った私が、もう一度深呼吸をして、ノブに手をかけた時、ドアが開き、妻の涼子が姿を現しました。 cool18.com

  涼子は冷たい微笑を浮かべると、私を屋敷の中へ招き入れました。 cool18.com

  私は離婚届を受け取りに来たことを告げましたが、涼子は、「それは、後でね。」と言うだけで、そのまま奥の部屋に向かって歩き続けたのでした。 cool18.com

  その屋敷は、古びてはいましたが、中はかなり広く、部屋数もかなりあることがわかりました。私と涼子はいくつかの部屋のドアが左右に並ぶ長い廊下を進み、一番奥の部屋の前で立ち止まりました。 cool18.com

  涼子は、部屋のドアをゆっくりと開け、私を中に招き入れました。と、その瞬間、私の視線に3人の見知らぬ男たちの姿が映ったのです。私は、とっさに妻が離婚の調停のために依頼した弁護士か何かだと思いましたが、どうも風貌がそんな職業を感じさせません。どちらかと言えば、ヤクザ風のちょっと崩れた感じの印象を受けました。 cool18.com

  「紹介するわね、こちらが、私が今、お世話になっている人たちなの。村井さんと本城さんと田中さん。で、こちらが私の旦那・・・。」 cool18.com

  涼子は、私と彼らにそれぞれを紹介するように言ったのです。 cool18.com

  私は、不安な気持ちを抑えながら、軽く会釈をすると、 cool18.com

  「ぼ、僕はただ、離婚届けを受け取りに来ただけだけなんだが・・・。」 cool18.com

  と、少し、緊張した口調で言いました。 cool18.com

  その言葉に妻と村井たちは、お互いの顔を見合わせると、一瞬、ニヤリと口元に笑みを浮かべて、頷きあったのです。 cool18.com

  私は、案内されるままに、ソファに腰掛けると、しばらくの間、彼らと何気ない会話を交わしました。彼らは、意外にも、ヤクザ風の風貌には似合わない、比較的物腰の柔らかい話しぶりでした。私は、やはり、弁護士か何かなのだろうと、それまで抱いていた不安が薄らいでいくのがわかりました。 cool18.com

  私は、それまでの不安と緊張から来る、喉の渇きを癒すために、妻が運んできたアイスティーを何のためらいもなく、一気に飲み干しました。 cool18.com

  その後、さらに数分の会話を交わした後、私の意識は徐々に遠のき始め、激しい睡魔に襲われました。その間、ほんの十分ほどだったと思います。 cool18.com

  後で聞いたことですが、彼らは、気楽な会話で安心させた上で、睡眠薬入りのアイスティーを飲ませるということを、あらかじめ計画済みだったのです。 cool18.com

第2章-2 cool18.com

  それから、果たして、どのくらいの時間が経過したのでしょうか。私は呆然とするする意識の中で、徐々に目が覚めていきました。気がつくと、体は椅子に縛り付けられ、身動き一つできません。さらに、視線を下に落とすと、驚いたことに、淡いピンク色の下着が目に入りました。それは、紛れもなく女性用のブラジャーとパンティだったのです。私は、一体何が起こったのかわからず、激しく頭を振りました。がんじがらめに縛られた私にとって、動かせるのは頭だけだったからです。ところが、その頭が何となく重いのです。 cool18.com

  (な・・・なんだ?どうなってるんだ?) cool18.com

  私は、自分の身に起こっていることを確かめようと、さらに頭を動かしたのです。すると、どういう訳か、長い髪が汗ばんだ頬にまとわりついてきたのです。どうやら、女性用のロングヘアーのウィッグを被せられているようでした。私は、一瞬、自分の身に何が起こったのか理解できずに、心を落ち着かせようと、少しの間、目を閉じ、再び意識をはっきりさせてから目をゆっくりと開けました。しかし、その視界に飛び込んで来たのは、先ほどと同じ姿でした。そして視線を上に向けると、先ほど私と話をしていた村井・本城・田中、そして妻の涼子がこちらを見ながら、ニヤニヤした不吉な笑みを浮かべて、なにやら話している姿が見えたのです。 cool18.com

  「こ、これは一体・・・?」 cool18.com

  私の囁くような声を聞き、 cool18.com

  「あら、気がついたのね。」 cool18.com

  と、涼子が言葉を返しました。 cool18.com

  「ど、どういうつもりんなんだ?僕をどうしようっていうんだ?」 cool18.com

  すっかり眠気も消えた私は、彼らに抗議するような強い口調で言いました。 cool18.com

  「あら、そんな女の格好で、すごんでみても似合わないわよ。」 cool18.com

  涼子は大きな声で笑いながら言ったのです。 cool18.com

  ソファの真ん中で座っていた村井がゆっくりと立ち上がると、近づいてきて、 cool18.com

  「涼子の言っていたように、お前、女っぽい顔してるから、女装が似合うなぁ。」 cool18.com

  と言うと、他の男たちに視線を送りました。 cool18.com

  村井は、動揺している私に、ゆっくりと説明を始めたのです。 cool18.com

  「涼子から、お前が離婚したがっているって話は聞いている。でも、原因はお前の浮気だって言うじゃねえか。しかし、お前もひでぇやつだよな。これまで一生懸命に尽くしてきた女房を捨てるなんてよ。涼子から、その話聞いて気の毒になっちゃってな。で、そんなやつは、懲らしめてやらなくちゃいけねぇって言ってやったんだよ。」 cool18.com

  村井の口調は、私が眠りに落ちる前のそれとは明らかに変化していました。そのすごみのある話しぶりは、まさにヤクザそのものでした。 cool18.com

  「もうわかったでしょうけど、この村井さんって人は私の新しい彼よ。まあ、この辺じゃ、ちょっとした顔って感じ。で、本城さんと田中さんは、村井さんの弟分なのよ。まあ、そんなこと、どうでもいいことだけどね。」 cool18.com

  涼子が村井の説明の途中で口を挟みました。 cool18.com

  「な、何を言ってるんだ?離婚は、僕たち夫婦の間の問題で、他人にとやかく言われる筋合いはない。とにかく、このロープをほどけ。さもないと、警察に連絡するぞ。」 cool18.com

  私は、精一杯の虚勢を張って言いましたが、彼らは笑い合うだけで、全く意に介しませんでした。 cool18.com

  それにしても、涼子は私から離婚話が出て以来、派手な服装やメイクで外出することが多くなってはいたものの、外出先で、こんな村井たちのようなヤクザと知り合いになっていたとは、あまりにも意外なことでした。私の心には、あのときもっと注意しておけばよかったという後悔の念がわいてきましたが、その時の自分の置かれている立場を考えると、そんな後悔の念を、じっくりかみしめるゆとりは、ありませんでした。 cool18.com

  「まあ、私も村井さんっていう新しい彼もできたし、あなたと別れてもいいって思った訳よ。でね、そのこと、村井さんに話したら、『そんな物わかりのいいことでどうすんだ。旦那の不倫がもとで離婚するんだから、慰謝料はたっぷり取ってやれ。』って言ってくれたの。」 cool18.com

  「わ、わかってる。僕の不倫が原因だってことも・・・。慰謝料は払うつもりだ。本当だ。だから、早くその話し合いをして・・・・。こ、こんな姿じゃ話し合うこともできないじゃないか。」 cool18.com

  もとより、私は慰謝料の支払いにはできる限り応じるつもりでした。離婚の原因が私の側の不倫であることは、明白だったからです。 cool18.com

  「ちょっと、待ってよ。話は最後まで聞いてよね。最初は、そのつもりだったのよ。慰謝料でも取って別れようってね。でも、よく考えたら、そんなの一時のことでしょ。あなた、私と別れたら、あの結花って女と一緒になるんでしょ?で、幸せに暮らすってわけじゃない?そんなの不公平だって気になっちゃったのよ。で、また、そのこと村井さんに話したら、じゃ、思いっきり恥かかせてやったらいいじゃないかって言われたのよ。そうすれば、あなたも後悔するはずだって。どう?そんな格好させられて恥ずかしいしょ?ハハハ・・・。」 cool18.com

  私は、涼子の言葉で、その時、なぜ自分が女物の下着を着けられ、ウィッグまで被せられているのかの意味がやっとわかったのです。それは、涼子の復讐心に根ざしたものだったのです。 cool18.com

  「も・・もう、十分だろう。十分恥をかかせてくれたじゃないか。それに、慰謝料だって払うって言ってるんだ。もう、この服を脱がせてくれ。」 cool18.com

  私は、ある意味では、これですべてが終わるんなら簡単なことだとさえ思ったのです。 私に恥をかかせるという彼らの目的はそれで達したのだとばかり思っていたからです。 cool18.com

  しかし、その考えは大きな間違いでした。ここまでは、彼らの邪悪な企みの、ほんの序章に過ぎなかったのです。 cool18.com

第2章-3 cool18.com

  しばらくして、一旦部屋を出ていた村井が数枚の紙を持って戻って来ました。 cool18.com

  「これに、サインしろ。お前と涼子の離婚契約書だ。」 cool18.com

  その時、すでに、腕だけは拘束を外され、自由にされていましたので、その紙を受け取り、視線を落としました。しかし、それを読み進むうちに、急にめまいが襲ってきました。『離婚契約書』と書かれたその書面の内容が、あまりに常識外のものだったからです。 cool18.com

  まず、契約の一つ目として、私が支払うべき慰謝料が一億円と明記されていたのです。その金額はまさに法外なもので、会社の重役とは言え、二十四歳の私にはあまりに過酷な数字でした。仮に、どこからか借金をしたとしても、その後の生活に必ずや破綻を来すであろう金額です。 cool18.com

  「こ、こんな法外な金額、無理だ・・・。」 cool18.com

  私は思わずつぶやきました。 cool18.com

  「何、言ってるんだ。お前、重役なんだろう?そのくらい用意できるだろうが。それに、そもそも離婚の原因はお前にあるんだからな。金さえ用意すれば、離婚は成立だぜ。」 cool18.com

  村井が冷たい口調で吐き捨てるように言いました。そばで、涼子と本城、田中も頷いてみせました。 cool18.com

  「す、少し・・・考えさせてくれ・・・。」 cool18.com

  考えても、どうしようもないことはわかっていましたが、とにかく、自分の気持ちを落ちつかせる時間が欲しかったのです。けれども、村井の言葉はそれを許してはくれませんでした。 cool18.com

  「おい、どうするんだよ。今更、離婚取りやめってことか?え?ま、それも、今となってはもう手遅れだけどな・・・。」 cool18.com

  村井の言葉の意味を分かりかねて、私はしばらくの間、彼の口元を見つめていました。 cool18.com

  「わかんないのかよ。今更、離婚取りやめはできないってことだ。今のお前の格好を見てみろよ。女の格好を・・・よ。今まで黙ってたけどな、お前のその格好、ばっちり、このデジカメで撮らせてもらったからな。もし、金が払えないって言うんなら、これプリントしてお前の会社に・・・あ、いや、お前の彼女・・・なんて言ったかな、そうそう、結花って女にも送りつけてやるよ。」 cool18.com

  私は、背筋が凍り付くような思いがしました。それほどまでに村井の言葉はドスが利いていたのです。しばらく、緊張のやりとりがあったので、すっかり忘れていたのですが、その時の自分の姿は、誰にも見せられない恥ずべき姿です。ピンク色の女性下着の上下を身につけ、女性用のカツラまで被せられた姿を改めて思い知らされたのです。こんな姿を会社の同僚や、ましてや結花にまで見せられたら、一体どうなってしまうのでしょう。 cool18.com

  「そ、そんなこと・・・。まるで脅迫じゃないか。立派な犯罪だぞ。」 cool18.com

  私は、精一杯の虚勢を張って言いました。 cool18.com

  「おーおー、意気がってるじゃないか?お前、今の姿、自分で見てみな。意気がっても、全然似合わないぜ。第一、俺たちに法律なんて関係ねぇんだよ。」 cool18.com

  村井はそう言うと、本城に目配せをしました。 cool18.com

  本城は、その合図に反応するように立ち上がり、一旦部屋から出てると、数枚の写真を持って戻ってきたのです。 cool18.com

  なんてことでしょう。その写真に写っているのは、女装姿の私自身でした。村井の言っていることは本当だったのです。しかも、それまで自分では気づかなかったのですが、私の顔は完全にメイクまで施されていて、目をつぶって、眠り込んでいるとは言え、ベッドに横たわって、どこかしらポーズをつけているようにさえ見えました。 cool18.com

  「さあ、どうするの?会社と結花に送ってもいいの?この写真・・・。」 cool18.com

  それまで黙ってやりとりを見ていた涼子が言いました。 cool18.com

  「ま、待ってくれ。そ、それだけは・・・。」 cool18.com

  「じゃ、お金は用意できるのね?よかったわ。あーあ、ホッとした・・・。」 cool18.com

  涼子はわざとらしく言うと、村井の方に微笑みかけ、その腕に自分の腕をからませたのでした。 cool18.com

  「い・・・いや・・・い、一億なんて金・・・。僕には無理だ・・・・。」 cool18.com

  私はつぶやくように言いました。 cool18.com

  その言葉には何も返答せずに、村井と涼子は再びソファに腰掛けると、なにやらひそひそと話をし始めたのです。時折、思い出したように大きな声で笑いあいながら。 cool18.com

第2章-4 cool18.com

  やがて、二人はもう一度立ち上がると、私の方に向かって言い出したのです。 cool18.com

  「今、涼子とも相談したんだが、お前、金ができないんなら、俺の知り合いが金融やってるから、そこから借りろよ。」 cool18.com

  私は、村井の意外な申し出に驚きました。それまでの高圧的な口調とは明らかにトーンが変わっていましたし、そんな善意を示すような人間には思えなかったからです。 私は、すぐに、これには何か企てがある、と直感しました。きっと、いわゆる「ヤミ金」業者で、法外な利息をふっかけてくるに違いないと思ったのです。ところが、私の怪訝そうな様子を察知してか、村井はさらに言葉を続けたのです。 cool18.com

  「お前、ヤミ金かなんかだと思ってるだろうが、それは、違うぜ。利息はゼロだ。しかも、返済は月十万だ。それなら安いもんだろう?」 cool18.com

  私は、できる限り冷静に頭を働かせ、村井の言葉を理解しようとしました。一億円を月十万円で返済すると、八十年以上もかかってしまう。それまで私が生きているかどうかもわからないのに、そんな条件のいい話なんてあるはずがないではないか。でも、この申し出に同意すれば、今すぐに離婚が成立し、結花との新しい人生をスタートすることができる。どちらにせよ、慰謝料は払うつもりだったではないか。それに、もしこの申し出を断れば、あの恥ずべき写真が公にされてしまうではないか。私の心には、激しい葛藤がわき上がってきました。 cool18.com

  私は、しばらく考え込んだ後、ついに、村井の申し出を受けることを決心したのです。しかし、この決断こそが、その後の私の人生を完全に変えてしまう大きなものになってしまったのです。 cool18.com

  私は、村井の差し出す借用書に目を通しました。確かに、そこに書かれている内容は、村井の口から告げられたものと同じでしたが、付帯条項として、小さな文字が書き加えられてあったのです。 cool18.com

  『但し、本契約を正式に締結するために以下の条件を付与する。 cool18.com

  本日より3ヶ月、債権者である村井健三及び、村井代理人である高野涼子、本城   充、田中聡の指示を、全面的、無条件に遵守すること。 cool18.com

  *上記条件を債務者が満たさない場合には、本借用契約は無効とし、全額一括返済並びに、違約金として元金に加えて一億円の返済を速やかに行うこととする。』 cool18.com

  「こ、これは、一体、どういうことなんだ・・・・?」 cool18.com

  私は、付帯条項の意味する内容を理解できずに、村井の方を見据えて言ったのです。 cool18.com

  「だから、書いてある通りだよ。ま、簡単に言えば、むこう3ヶ月は、お前の体は俺たちが預かるってことだ。これだけの条件で金を借りられるんだぜ。このくらいの条件は当たり前だろう。え?そうだろう?」 cool18.com

  村井は、口元に怪しげな笑みを浮かべて、冷たく言い放ったのです。 cool18.com

  「そ・・・そんな、馬鹿な話があるか。そんなものに同意できるわけないだろう。」 cool18.com

  私は半ば興奮して、声を荒げました。借金の条件は破格です。しかし、そのために、3ヶ月間とは言え、彼らの言いなりになることはどうしてもできないと思ったのです。 cool18.com

  「そうか、じゃ、仕方ないな。今すぐ、金を用意してもらおうか。さもないと、このオカマ写真を・・・。」 cool18.com

  村井は、例の恥ずべき数枚の写真を手で弄びながら、言いました。 cool18.com

  「そ・・・それは・・・それだけは・・・。」 cool18.com

  そうです。私には前にも、後ろにも進むことができなくなっていたのです。 cool18.com

  しかも、涼子の促すような言葉が聞こえてきました。 cool18.com

  「別にあなたの命までもらおうってわけじゃないわよ。たった3ヶ月辛抱すれば、お望み通り、離婚成立。自由の身になって、結花って女と一緒になれるんじゃない。私だって、夫であるあなたをそんなひどい目にあわせるつもりなんてないんだから・・・。」 cool18.com

  皮肉たっぷりの言い方でしたが、その「たった3ヶ月」という言葉と、「ひどい目にはあわせない。」という言葉が私の決心を促したのです。 cool18.com

  私は、言いようのない不安と戦いながらも、震える手で、ついにサインをしてしまったのです。 cool18.com

  「よし、これで契約成立だ。いいか、むこう3ヶ月は、俺たちの言うことは絶対に従わなきゃならねぇんだぞ。さもないと、全部で2億円、即金で払う羽目になるんだ。よく覚えておけよ。アハハハ・・・。こりゃ、おもしろくなってきたぜ。なあ?涼子?」 cool18.com

  村井が、大声で笑いながら、涼子に目配せをすると、涼子も、それに答えるかのように意味深な笑みを浮かべるのでした。 cool18.com

  私は呆然とした意識の中で、「たった3ヶ月、たった3ヶ月のことだ・・・。」と心の中で呪文のように呟きました。 cool18.com

  それから、私は本城と田中の手によって、再び、椅子に後ろ手に縛り上げられ、一人部屋の中に置き去りにされたのです。 cool18.com

第3章-1 cool18.com

  彼らが、再び部屋に戻ってきたのは、それから、約1時間後のことでした。村井の手には小さな紙切れ、そして田中の手にはビデオカメラがありました。 cool18.com

  「じゃ、契約通り、3ヶ月はお前の体は俺たちのものだ。いいな?じゃ、最初に、会社と結花に電話をかけろ。急に出張が入ったとか、適当に休む言い訳をしておけ。」 cool18.com

  「ど、どういうことだ。帰してくれるんじゃないのか?」 cool18.com

  私は、村井の言葉を信じられない思いで聞いたのです。 cool18.com

  「何、言ってんだ。それじゃ、何にもならないだろうが・・・。全くふざけた野郎だぜ。」 cool18.com

  「そ、そんな・・・。お願いだ。家に・・・家に帰らせてくれ。」 cool18.com

  私は必死になって懇願しましたが、村井はまた、ヤクザ口調に戻り、 cool18.com

  「バカ野郎、なめたこと言ってんじゃねえ。さっさとしねえと、契約違反で訴えるぞ。」 cool18.com

  本来なら、こんな脅迫めいた契約が法的には何の効力もないことは明らかでしたが、その時の私は冷静な判断力を失ってしまっていたのです。 cool18.com

  私は、命じられるまま、涼子の握った受話器に向かって話し始めたのです。 cool18.com

  電話の向こうは、聞き慣れた同僚の声でした。 cool18.com

  私は、社長に代わるように告げ、しばらくアメリカに行かなければならなくなったと、虚偽の連絡をしました。幸いなことに、日頃からの仕事ぶりを評価されていたこともあって、社長には、疑いの様子は微塵も感じられませんでした。むしろ、気をつけて行って来いという思いやりのある言葉をかけられ、私は思わず、涙がこぼれそうになりました。しかし、もしも、今のこの姿を見られたら、これまで築き上げてきた信用もすべて失ってしまうだろうと思うと、そんな感傷に思いをはせている余裕はありませんでした。 cool18.com

  次に私は、結花の携帯に電話をしました。 cool18.com

  結花も同じ会社にデスクを持って働いているので、アメリカ行きの話はもう、伝わっているかもしれませんが、私は同じ話を繰り返しました。 cool18.com

  「そう、アメリカに行くのね。で、いつ戻ってくるの?」 cool18.com

  結花の寂しげな声が受話器越しに聞こえてきます。 cool18.com

  「あ、いや、3ヶ月、たった3ヶ月だから・・・。」 cool18.com

  私は、結花をも騙している自分に、罪悪感がわいてきました。 cool18.com

  「え?3ヶ月も・・・。寂しいわ、私・・・。」 cool18.com

  結花の言葉がだんだんと泣き声に変わっていくのがわかりました。 cool18.com

  私は、抑えようもない感情がわいてきて、 cool18.com

  「で、でも、この出張が終わったら、り・・離婚が完全に成立するんだ。そしたら・・ね・・・け、結婚しよう。それまで、しばらく待っててほしいんだ。」 cool18.com

  振り絞るような声になっていました。 cool18.com

  「ホント?ホントなのね。嘘じゃないわよね。」 cool18.com

  「ああ、ホントさ。嘘じゃない。」 cool18.com

  「うれしいわ。寂しいけど、その言葉信じて待ってる・・・。」 cool18.com

  「うん。ごめん、寂しがらせて・・・。でも、結花と一緒に暮らせることを信じて、僕もがんばるから・・・。」 cool18.com

  「うん、わかった・・・。ねえ、直樹?私・・・愛してる、直樹のこと愛してるわ。」 cool18.com

  「ぼ、僕もだ。僕も愛してる。結花のこと、心から愛してる・・・。」 cool18.com

  私は、涼子の前であることも忘れて、夢中で受話器に語りかけました。確かに、その時、私が置かれている苦境は、結花との新たな人生を望んだために生じていることではありましたが、決して後悔はありませんでした。 cool18.com

第3章-2 cool18.com

  「あ~あ、全く、すごい愛の告白ね。熱いわね、ホントに・・・。今の自分の格好を棚に上げて、とんだプレイボーイってところね。フフフ・・・。」 cool18.com

  電話を切った私に向かって涼子が思いきり皮肉を込めた言葉を吐いたのです。その口調は嫉妬心からなのか、明らかに意地の悪い響きを含んでいました。 cool18.com

  「まあまあ、そんなに妬くなって・・・。旦那もお前と離婚したくて必死なんだから・・・な。アハハ・・・。」 cool18.com

  結花との電話の余韻に浸る間もなく、彼らの私への次の指示が与えられました。 cool18.com

  「まず、最初にシャワーに入れ。おい、涼子、支度しろ。でな、万事、涼子が準備してくれるから、それに従えよ。わかったな? もし、反抗的な態度をちょっとでも見せたら、こいつらが黙っちゃいないからな。それに、例の写真も・・・。」 cool18.com

  もとより、3ヶ月の辛抱だと自分に言い聞かせていた私は、反抗する気も失せていました。それに、涼子が言った「夫にひどいことはするわけない。」という言葉も、かすかな希望の灯になっていたのです。 cool18.com

  それまでほとんど口を開かずに、ただその場のやりとりをニヤニヤした表情で見ていた本城と田中がソファから立ち上がると、私の方に近づき、ゆっくりとロープをほどき始めたのです。約3時間も拘束されていた私の足首はロープの跡が残り、つま先が血の気を失ったように青白くなり、かすかに痺れてさえいました。 cool18.com

  私は、涼子の後に続き、部屋を出て、案内されるままバスルームに入りました。私は、それまで、頭を覆っていたロングのウィッグを無造作に外し、ピンク色のブラジャーを外そうと手を伸ばしました。初めて身につけた女性もののランジェリーは、外そうにもなかなか外れません。私は改めて、この数時間、自分がこんなものを身につけさせられていたのだという現実を思い知らされ、急に激しい羞恥心に襲われたのです。同時に、何はともあれ、そんな恥ずべき姿から解き放たれたという解放感にホッとしたのでした。 cool18.com

  全裸になり、脱衣所からバスルームに入った瞬間、閉めようとしたドアが何者かによって、妨げられました。ハッとして後ろを振り向くと、そこには、涼子が微笑みながら立っていました。しかも、その背後からは、本城と田中が続いて中に入ろうとしていたのです。 cool18.com

  「私たちも、一緒に入るからね。ちょっと、用事があるから・・・。ああ、この人たちはあなたが抵抗しないようにお目付役ね。さあ、入って。中に・・・。」 cool18.com

  「よ、用事って、何だよ。いったい・・・。」 cool18.com

  私は、その意図が解りかねて、怪訝な表情で言いました。 cool18.com

  「いいから、いいから・・・。後で解るって。」 cool18.com

  涼子はそう言うと、私の背中を押してバスルームの中に押し入れたのでした。 cool18.com

  私は、かすかな抵抗を試みましたが、背後に本城と田中という「お目付役」が控えていたために、強くは出られませんでした。一緒にバスルームに入ると言っても、全裸になっているのは私だけです。他の3人は皆、服を着たままなのです。その様子はあまりに不自然で、彼らが一体何をしようとしているのか、すぐには解りませんでした。 cool18.com

  そんな私の疑問が消えたのは、全身を洗い流し、再びバスルームを出ようとした時でした。ドアに手をかけた私を、田中の手が止めたのです。 cool18.com

  「まだ、用事は終わってないんだよ。な、涼子さん?」 cool18.com

  田中は、それまで監視しているだけだった涼子に向かって言ったのです。 cool18.com

  「そうよ、まだ、終わってないわ。することあるんだから、さあ、こっちに戻って・・・。」  cool18.com

  私は、不安になりながらも、もう一度、バスルームの椅子に腰を降ろしました。 cool18.com

  「さあ、脱毛しましょうね。全身、つるつるにしないとね。フフフ・・・。」 cool18.com

  涼子はそう言うと、用意していた袋から脱毛クリームを取り出したのです。 cool18.com

  「な、何をするつもりなんだ?」 cool18.com

  「だからー。脱毛だってば・・・。全身のむだ毛を落とさなくちゃ・・・。それとも抵抗する気?だったらいいけど。どうなったって、知らないわよ。」 cool18.com

  涼子の言葉に私はそれ以上の抵抗はできません。涼子一人なら力ずくで押しのけることも可能だったでしょう。しかし、そばには田中と本城も目を光らせているのです。いえ、逃げ出す気なら、いくら男として非力だとは言え、その場から飛び出すことくらいはできたでしょう。けれども、仮に逃げ出せば、あのあまりにも恥ずかしい女装姿の写真を公開されて、しかも、契約の不履行による合計2億円もの返済を即時に行わなければならないという立場に追い込まれていては、その理不尽な要求にも従わざるを得なかったのです。 cool18.com

第3章-3 cool18.com

  それから、約1時間が経ったでしょうか。涼子の手により、全身の脱毛を施された私は、全裸のまま、促されるままにバスルームを出て、再び長い廊下を不安な足取りで辿ったのです。前を案内するように涼子が、そして相変わらず傍らには本城と田中がなにやら、談笑しながら歩いています。私の心に言いようもない不安と恐怖が止めどなく、沸いてくるのでした。 cool18.com

  案内された部屋は、一階の玄関脇の小部屋で、調度品やドレッサー、さらにはベッドの様子から、使用人部屋、いえ、いかにも女性的なインテリアが飾ってありましたので、メイドさんか何かの部屋だと直感しました。 cool18.com

  ええ、そうです。その部屋こそ、今私が暮らしているこの小部屋なのです。彼らは、この屋敷に、私をメイドとして住まわせるという計画を立てていたのです。この部屋は、そんな私のために彼らが準備したものでした。もちろん、その時の私に、そんなことに気づくゆとりは全くありませんでしたが・・・。 cool18.com

  私は、涼子に指示されるまま、ドレッサーの前に座りました。 cool18.com

  (また、女装させられるのか・・・。と言うことは、また縛られて・・・・。一体、こいつらはどこまで、この俺に恥をかかせるつもりなんだ?) cool18.com

  私は、そう思うと激しい羞恥心がわいてきて、その場を逃げ出したい衝動に駆られましたが、それが不可能なことは、わかっていました。 cool18.com

  私は、ある種の諦観を感じながら、黙って涼子の作業に従いました。 cool18.com

  女装させて縛りつけられる・・・・・その苦痛は確かに耐え難いものでしたが、もし、それだけで、契約を履行することができるのなら、なんとか我慢し通すこともできるのではないか。そんな思いも心の片隅には芽生えてきていました。しかし、それは本当に甘い考えでした。彼らの、とりわけ、涼子の増幅された復讐心は、その程度のことで収まるほど小さなものではなかったのです。 cool18.com

  涼子は嬉々とした表情で、次から次へと、私の顔にメイクを施していきます。それはもう、私が夫であるという認識すらしていないそぶりでした。 cool18.com

  「さあ、できたわ・・・。ホントに今まで気づかなかったけど、あなたって女装が似合うわねぇ。完璧な女の子って感じ・・・。フフフ。」 cool18.com

  私は目の前の鏡に映る自分の姿に、思わず、息を飲んでしまいました。確かに、涼子の言うように、ちょっと見では、誰も男だとは気づかないほどの完璧なまでの女装姿だったのです。もちろん、それを喜んで受け入れるような趣味は私にはありません。羞恥心の高まりだけが、止めどなく大きくなってくるだけです。 cool18.com

  「じゃ、今度は、服を着ましょうね。どれがいいかなぁ・・・。フフフ・・・。」 cool18.com

  涼子は楽しげにそう言うと、タンスから、淡いバイオレットのブラジャーとパンティを、そしてクローゼットからは明らかにメイド服と見られるコスチュームを取り出し、広げて見せるのです。 cool18.com

  「どう?すてきでしょ?これ・・・。さ、早く立って・・・。私が着せてあげるから。」 cool18.com

  目の前に女物の衣類を見せられ、私の羞恥心は一気に高まり、無抵抗ではいられません。私は、思わず、大きな声で訴えたのです。 cool18.com

  「お、お願いだ、涼子・・・。も、もうこれ以上の辱めはたくさんだっ・・・。」 cool18.com

  激しくかぶりを振る私の頬に、ロングヘヤーのウィッグの毛先がちくちくと触れてくるのがわかります。と、その時でした。視線を上げた私の前に、それまで傍らにいたはずの本城のにらみつけるような顔があったのです。 cool18.com

  「お前、いいのか?抵抗なんかして。兄貴に報告しても・・・。」 cool18.com

  そう言うと、本城は田中に目配せをしました。田中は待ってましたとばかりにドアのノブに手をかけ、部屋を出て行こうとしたのです。 cool18.com

  「ま、待ってくれ。それだけは・・・。で、でも、こんなことしたくないんだ。お願いだ。許してくれ。」 cool18.com

  私は、半分泣き声になって、言ったのです。 cool18.com

  (もうどうすることもできないんだ。) cool18.com

  私はすべての弱みを彼らに握られていることを改めて悟り、いったんは立ち上がりかけた身体を、再び、力無く、スツールに落としたのです。 cool18.com

  「さあ、涙ふいて・・・着替えなくちゃ・・・。抵抗したって無駄なことなんだから・・・。たった、三ヶ月の辛抱なんだから。ね、あなた・・・。フフフッ・・・。」 cool18.com

  そう、三ヶ月、たった三ヶ月の辛抱なんだ・・・・私はその言葉を何度も何度も、心の中で繰り返し、涼子に手伝われながら、とうとうメイド服に袖を通したのです。 cool18.com

第3章-4 cool18.com

  「さあ、準備完了。できたわよ、すっかり・・・。それにしても、ホントよく似合うわ・・・。女の私から見てもホレボレするくらい・・・。ね、どう?二人とも・・・。」 cool18.com

  涼子は本城と田中の方に視線を送ると、私の身体を、彼らの方に正対させたのです。 cool18.com

  「おぉー、ホントにいい女だなぁ・・・。こりゃ、男にしとくのもったいないぜ。なあ、聡。」 cool18.com

  「あ、ああ、なんか、俺、ヘンな気になりそうだぜ・・・。」 cool18.com

  本城と田中は口々に下卑た言葉を投げかけてくるのでした。 cool18.com

  「ちょっとぉ、いい加減にしてよね。ここに本当の女がいるんだからね。でも、ま、確かにいい女だわ。それに、そんな挑発的な衣装じゃ、男が興奮するのも当たり前ね。フフフ・・・。ほら、あなたも、自分で見てみなさいよ・・・。」 cool18.com

  私は、涼子に引っ張られ、部屋の隅に置かれている姿見の前に立たされました。そして、恐る恐る、顔を上げ、目の前に映る自分の姿に目をやりました。 cool18.com

  その瞬間、改めて激しい羞恥心に、全身が熱くなるのがわかりました。 cool18.com

  「ああ・・なんて・・・なんて格好して・・・るんだ・・・。」 cool18.com

  そこには、頭の先から足のつま先まで、完璧なまでのメイドが映っていたのです。 cool18.com

  髪の毛は肩まで伸びたストレートヘヤ、そしてその頂上には白いレースの飾りがちょこんと可愛らしく乗っています。メイクは赤を主体にしたかなり濃いめのメイクでしたが、アイブロウ、チーク、ルージュ、さらにはビューラーで整えられた睫毛にはボリュームのあるマスカラまで施されています。そして、両耳にはゴールドのイヤリングまでついていて、服装はと言うと、シリコン製のパットで盛り上がった胸を誇張するように白いレースがあしらわれ、柔らかそうな黒いベルベットの光沢のある布地が全身を覆っています。しかも、それが描く身体のラインは、コルセットによる、細くくびれたウエストラインとヒップパットによる丸みのあるヒップラインが、見事なまでに女性的なシルエットを作っています。ただ、そんな上品な素材でできているにも関わらず、そのメイド服は、通常のものとは決定的に異なる部分があったのです。それは、あまりにも短いスカート丈のことです。それは、膝上何センチなどとは表現できない程の短さで、直立し、じっとしていることで、何とか下着の露出を回避できるほどの長さしかないのです。もし、少しでも前屈みになれば、いえ、ちょっとでも身体を動かせば、淡いバイオレットのパンティが顔をのぞかせることになるでしょう。しかも、男にしては、ほっそりとした長めの両脚を包んでいる黒いストッキングは、バックラインの入った、ガーターベルト用の物で、真っ赤なガーターとスカートの裾の間からは、脱毛してなめらかになった白い肌が露出しているのです。 cool18.com

  「ああ、こ、こんな・・・。」 cool18.com

  私はそのあまりにも扇情的な姿に変身させられた自分自身の姿を目にして、思わず倒れそうになりました。本当に、逃げ出せるものなら、この場から逃げ出したい。いえ、いっそ、ひと思いに死んでしまいたいとすら思ったのです。しかし、そんな絶望感をかろうじて抑えたのは、(3ヶ月後には結花と一緒になれる。そのための、これは、試練なのだ。)という心の中の言葉でした。 cool18.com

  「さあ、いつまでぼーっとしてるの?村井さんに紹介しなくちゃ、新しいメイドさんを・・・ね。フフフフッ・・・。」 cool18.com

  涼子は、唇をかみしめ、うなだれる私の背中を強く押しました。 cool18.com

  私は、涼子と本城、田中に従って、部屋を出て、長い廊下の奥のリビングらしき部屋に戻っていきました。廊下を歩く時に、履き慣れない高いハイヒールが奏でるコツコツという甲高い響きが、私の不安をどんどん増幅させていくのがわかりました。 cool18.com

第3章-5 cool18.com

  「うおっ、す、すげぇ・・・、すげぇじゃねぇか・・・。ホントにいい女だぜ・・・。」 cool18.com

  部屋に入った私を一目見て、村井は目を丸くして、声を上げました。 cool18.com

  「でしょ?どう?私のテクニック。」 cool18.com

  涼子が自慢げに言いました。 cool18.com

  「おいおい、お前のテクニックじゃないだろうが。こいつが元から女っぽいからだぜ。でも、それにしてもゾクッとするほどのいい女だぜ。ホントに眠気も覚めたぜ。」 cool18.com

  そういえば、窓からはうっすらと朝の光が差し込み始め、夜明けを迎えているのがわかりました。私は、早くこの悪夢のような時間が過ぎ去ってくれることだけを願って、ただうつむきながら、彼らの下卑た冗談を聞き流すしかありませんでした。 cool18.com

  「あらあら、恥ずかしがっちゃって・・・。そんなに固くならなくたっていいじゃない。もう少しリラックスしたら・・・?ね、あ・な・た・・・フフフ・・・。」 cool18.com

  うつむいたまま、身体を固くして、立っているだけの私を見て、涼子が声をかけてきました。 cool18.com

  「そうだ。そうだ・・。お前見て、固くなってるのは、俺たちの方だよな?俺たちのムスコだよな?なあ、充・・・。アハハハ・・・。」 cool18.com

  「本当ですよぉ・・・俺なんて、さっきから・・・もう、ビンビンになってますよー。」 cool18.com

  村井の下品な言葉に応えるかのように、本城は、自分のズボンの前を押さえながら言うのです。  cool18.com

  「あーあ、みんな、あなたのせいよ・・・。男のくせに男のオチンチン立たせるなんて・・・ホント、罪作りな人ねぇ・・・ハハハ・・・。」 cool18.com

  涼子はそう言うと、私の屈辱感をより一層高めるためなのでしょう。さらに追い打ちをかけるように言うのです。 cool18.com

  「男のくせに、そんな大胆な超ミニ履いて、まるで、男が欲しくてたまらない淫乱女みたいじゃない・・・・。ねぇ、どんな気分?男なのに、男にじろじろ見られるなんて・・・ねえ、あなた・・・?フフフ・・・。」 cool18.com

  「は、恥ずかしい・・・逃げ出したいくらい・・・恥ずかしいんだ・・。お願いだ・・・もう、もう・・・このくらいにしてくれ・・・。頼む・・・。」 cool18.com

  「あら、何いってるの?まだ始まったばかりじゃない。これから、もっともっと、あなたには恥ずかしい目に遭わせてあげるわ・・・。でも、何かすごく似合ってるじゃない。ね、もしかして、ホントは、その気があったんじゃないの?私に隠れて密かに女の子してたとか・・・フフフ・・・。」 cool18.com

  「ち、違う・・・そんな、そんなことは・・・絶対にないっ・・。」 cool18.com

  私は、涼子の口から次々と発せられる屈辱的な言葉に耐えかね、つい大きな声を上げました。しかし、彼らは、そんな虚勢には全くひるむそぶりも見せずに、時折、下卑た口調で談笑しながら、私にとっては屈辱的な「品評会」を続けたのでした。 cool18.com

第4章-1 cool18.com

  「じゃ、そろそろ、始めるか。」 cool18.com

  村井のこの一言が「品評会」の終わりを告げました。 cool18.com

  私は、この屋敷に来た数時間前の出来事、つまり、女装させられた上に、椅子に縛られ、彼らのなめ回すような視線を浴びるという辱めが、再び、実行に移されるのではないかと予感し、思わず、身構えるように身体を固くしました。しかも、今度は睡眠薬で眠らされているわけではなく、意識のはっきりした状態で、そんな屈辱を受けなければならないのです。それは正に筆舌に尽くしがたい、拷問のような責め苦でしょう。しかし、彼らは、ロープや椅子を準備するそぶりは全く見せず、その代わりにビデオカメラと数枚の紙切れを用意したのです。 cool18.com

  「じゃ、これから、お前に誓いの言葉を言ってもらう。内容は、この紙に書いてあるからな。で、それを、ビデオにちゃんと収めてやる。わかったら、始めろ。」 cool18.com

  私は、不安を感じながらも、どうやら、女装姿で縛られた上で、彼らの視線を浴びるという屈辱は避けられそうだと少しホッとしながら、手渡された紙片に目を落としました。しかし、その安堵感もつかの間のことでした。 cool18.com

  「こ、これは・・・。」 cool18.com

  そこに書かれている内容はかすかな安堵感を完全に打ち消すものだったのです。 cool18.com

  「だから、誓いの言葉だよ。お前が今日から俺たちの指示に従うことを約束するためだ。」 cool18.com

  「そ、それはもう、契約書でわかってるじゃないか。今更、こんなこと言う必要はないだろう?」 cool18.com

  「待てよ。お前、勘違いしてるんじゃないか?契約書の付帯条件には、俺たちの指示は絶対だって書いてあったろうが。だったら、文句言わずにやれ。さっさとやらないと、契約はなしだぜ。そうなったら、例の写真、ばらまかれることになるんだからな。もちろん、離婚だって取りやめだ。お前には借金だけが残るってわけだ。どうだ?それでもいいのかよ。」 cool18.com

  村井は、淀みなく言い続けたのでした。 cool18.com

  その時の私は、一体、借金が残ることを恐れたのか、それとも、写真が公になることを避けたかったのか、どちらかはわかりません。もしも、脅迫の材料がどちらか一方なら、断ることができたのか、それもよくはわかりません。しかし、いずれにせよ、私には村井の言葉を拒否する勇気がなかったことは確かです。 cool18.com

  「わ、わかった。い、言うよ。そのかわり、写真を公開するのだけはやめてくれ。お願いだ。」 cool18.com

  私は、用意されたビデオカメラの前に立ちました。そして、紙片に目を落とし、ゆっくりと口を開いたのです。私の両方の瞳からは悔し涙があふれてきたのを今でも、はっきりと覚えています。 cool18.com

  「わ、私、高野直樹は、きょ、今日から村井健三様、高野涼子様、本城充様、田中聡様に、お、お仕えするメ・・・メイドとして、このお屋敷で働かせていただきます。皆さんを、ご、ご主人様として、しっかり、ご・・・ご奉仕させていただきますので、どうぞ・・・よろしくお願いいたします。もし、ご主人様方の指示に少しでも反抗すれば、ご・・・ご厚意でいただいた契約を、すべて破棄されても・・・かまいません。また、私のこの姿を公にされても・・・公にされても・・・」 cool18.com

  私は、ここまで言って、とうとう涙に詰まって後が出てきませんでした。 cool18.com

  村井は一旦ビデオのスイッチを止め、 cool18.com

  「どうした?続けろよ。それとも、終わりにするのか。それならそれで、こっちはかまわないぜ。なあ、涼子?」 cool18.com

  「じれったいわね。ビデオに向かって言うだけじゃないの。そんなこともできないの。もう、いいわ。村井さん、写真送っちゃって・・・。」 cool18.com

  涼子がしびれを切らせたように言い放ったのです。 cool18.com

  村井は、よし、わかったと言って、ドアに向かおうとしました。 cool18.com

  「ま、待ってくれ、わかった・・・わかったから・・・。」 cool18.com

  私は、涙混じりの声で村井を制したのです。 cool18.com

  涼子の冷酷な手によって、ビデオカメラのスイッチが再び押されました。 cool18.com

  為す術のない私は、少しでもこの時間が早く過ぎ去ってほしいと願いながら、再び重い口を開いたのです。 cool18.com

  「お、公にされてもかまいません。男である私、高野直樹をご主人様方はそのご厚意により、本来、じょ・・・女性の職業であるメ・・・メイドとして雇ってくださるのですから、少しでも従順な、じょ・・・女性として振る舞うために、次のことを、お・・・お約束いたします。一つ、メイドとしての仕事は家事だけには留まらず、ご主人様方のあらゆる、ご、ご要望にお応えいたします。二つ、今日から、ご主人様方の前では、高野直樹という名前をす・・・捨て、新たに・・・高野な、な・・・・・奈緒美という名前を名乗らせていただきます。三つ、今日から、ご主人様の前では、絶対に、男言葉を使わずに、お・・・女言葉だけを使わせていただきます。四つ、ご主人様方には許された時以外は、敬語で接することをお約束、いたします。五つ、身につける物は、すべて、ご主人様方の、し・・・指示通りにいたします。その他、ど・・・どんな言いつけも守り、精一杯、ご・・・ご奉仕いたします。  高野直樹こと、な、奈緒美・・・。」 cool18.com

  その瞬間、ビデオカメラのスイッチが切れる音が聞こえ、彼らの勝ち誇ったような大きな笑い声が部屋中に響き渡るのを、私は、ただうなだれて聞いているしかありませんでした。 cool18.com

  しかし、村井の指示はそんな私に一時の休息をも与えてなどくれません。 cool18.com

  「じゃ、次はプライベートビデオだ。涼子、例の物、用意しろ。」 cool18.com

  涼子は冷淡な笑みを浮かべながら、袋からイヤホンらしき道具を取り出すと、力無くうなだれている私の左耳にはめたのです。 cool18.com

  「プ、プライベートビデオ・・・?」 cool18.com

  私は、不安な面持ちで、まるで独り言のようにつぶやきました。  cool18.com

  「あなた・・、いえ、奈緒美ちゃんだったわね。フフフ・・・、あのね、奈緒美ちゃんにはね、これから、もう一本ビデオの出演してもらうんだって。ね、よかったわね、『奈緒美ちゃん』。可愛い子は本当に得よね。フフフフっ・・・・。」 cool18.com

  涼子の言葉使いは、もはや夫に対するそれではなくなっていました。頭の先からつま先まで完璧なまでに女性の姿に変身した私を本当のメイドとして、いえ、自分の従属物として扱っている言葉だったのです。 cool18.com

  それにしても、プライベートビデオというのは一体・・・? cool18.com

  私は、妻の底意地の悪い言葉を聞きながら、激しい不安に襲われました。 cool18.com

  「い、一体・・・な・・・何を・・・」 cool18.com

  私の独り言のようなつぶやきを、まったく無視するかのように、その「プライベートビデオ」なるものの撮影が始まりました。 cool18.com

第4章-2 cool18.com

  ビデオ撮影は、困難を極め、たった十数分の内容に数時間を費やしました。なぜなら、そのあまりの内容に私自身、途中、何度も必死の抵抗を示したからです。しかし、そのたびに撮影は中断され、契約のこと、写真のこと、また時には腕力による脅しまで使って、強制的に続けられたのです。そして、ついに完成した時には、時計の針はすでに朝の十一時を示していました。 cool18.com

  その撮影内容とは、なんと、結花に宛てたメッセージビデオだったのです。彼らは、私に理不尽な契約を遵守させるための脅迫のネタとして、新たな、そしてある意味では決定的な力となる材料を手に入れたことになったのです。私にとって、そのビデオが結花におくられることは、そのまま取りも直さず、結花との別れを決定的にするものだとわかっているからです。もしも目をつぶっている状態での女装写真だけなら、何者かによって強制的にそんな姿を晒していると判断してくれるかもしれません。もしかしたら、聡明な結花のことです。自分との結婚を実現するために、妻との離婚話を進める上で、何らかのトラブルに巻き込まれて、こんな姿にされているのだと思ってくれるかもません。しかし、完成したそのビデオを目にしたら、そんな事情は微塵も感じられず、私が自ら望んで女性の姿をしているようにしか見えません。しかも、自分から結花との別れを口に出しているのです。もちろん、それはすべてイヤホン越しに、執拗な脅迫を受けたために行ったものではありますが、結花が見れば、そうは思わないでしょう。それほどまでにビデオの完成度の高いものだったのです。 cool18.com

  撮影が終わり、やっと休息の時間が与えられました。メイド部屋に戻され、休むように言われた私は、ぐったりとした疲労と脱力感のなかで、ベットに横になりました。もちろん、一人になって一時的に開放されたとは言っても、逃げ出すことはできません。なぜなら、その部屋には二十センチ四方の小さな窓が3カ所あるだけで、ドアには厳重な外鍵が2つも付けられていたのです。トイレとシャワーも専用の小さなものが備え付けられており、食事以外は外に一歩も出ることなく生活できるようになっています。つまり、インテリアや調度品はそろってはいますが(それも、女性用のものばかりで男性用のものは一切ありません。)、監獄と同じだと言えるかもしれません。 cool18.com

  もちろん、そんな状況の中でも、逃亡を真剣に考えれば、何らかのアイディアも生まれるかもしれませんが、仮に逃亡が成功したとしても、彼らの手には、いつでも公にできる脅迫の材料が残っているのです。ですから、そんな危険な賭をするよりは、3ヶ月後に解放されることだけを信じて、ただ、耐えていく方が得策だという思いが強くなっていったのです。それは、恐らくプライベートビデオの撮影によって、私の心に新たに生まれたある種の諦観だったのかもしれません。 cool18.com

  私は、ベッドに横になりながら、目をつぶりました。肉体的な疲労感から、睡眠を欲しているのがわかったからです。しかし、そんな肉体的な欲求を邪魔するように、部屋に備え付けられたテレビ画面から、先ほど撮影を終えたばかりの、結花へのメッセージビデオがエンドレスに流れてくるのです。それは、私が自分の立場を忘れないようにとの村井たちが仕組んだ無言の脅迫だったのです。 cool18.com

  (ああ・・・なんてことだ・・・こんなビデオまで撮られて・・・僕は・・僕はどうなってしまうんだ?これから一体、どうなってしまうんだ・・・?) cool18.com

  私は、画面から流れる自分のあまりにも変わり果てた姿を、涙でかすむ目で呆然と眺めることしかできませんでした。 cool18.com

  画面の中の私は、どことなく媚びを含んだ笑顔を見せながらカメラを見つめ、小さな声で語りかけてくるのです。     cool18.com

  「こんにちは、結花さん。お元気ですか?ねえ、結花さん、私、誰だかわかるかしら。フフフっ・・・。あのね、あなたのよく知ってる人よ。え?こんな女知らないって?フフフ・・・。そうね。そうかもしれないわ。わからないのも無理はないわね。あなたの前でこんな格好したことないもの・・・。私、直樹よ。高野直樹。驚いたでしょ。びっくりさせてごめんなさいね。でもね、本当なのよ。その証拠に、ほら、ホクロだって・・・。」 cool18.com

  そう言いながら、画面の『女性』は、首筋と、二の腕にある小さなホクロを示して見せるのです。それは、二人が愛し合った後、ベッドの中で結花が愛おしげに、よく指先でなぞっていたものです。 cool18.com

  「ね、わかったでしょ?私が高野直樹だってことが。でもね、こうしていると、私も自分が、男の高野直樹だってこと忘れてしまうの。だって、奈緒美っていうすてきな名前があるんですもの。あのね、奈緒美・・・、本当は昔から女の子になりたかったの。だから、こうしていつも家では女の子の奈緒美になってるの。どう?奈緒美、可愛いでしょ?フフフっ・・・。今まで黙ってて、ごめんなさいね。でもね、もう、どうしても、自分の気持ちを抑えられなくなっちゃって、こうしてビデオで証明したかったの。本当はね、離婚の原因は、あなたのことじゃないのよ。奈緒美のこういう趣味が原因だったの。ううん、女性の格好するだけだったら、きっと、涼子も我慢してくれたと思うわ。奈緒美、本当はね、結花さんみたいな女の人じゃなくて、男性が好きなの。いつも男性から、愛されたいって・・・。だから・・・こんな下着が見えそうな短いスカートとか履いたりしてるの。でね、今は、こうしてメイドとして、あるお屋敷で、ある男性にお仕えしてるのよ。アメリカへの出張なんて、全部嘘。だましていて本当にごめんなさい。でも、こうしてお話できて、本当によかった。これからは、自分を隠さなくてもすむんですもの・・・。それからね、奈緒美、もう一つ、結花さんに謝らなくちゃならないことがあるの。それはね、もう、会わない方がいいってことなの。結花さんだってこんな奈緒美のこと、嫌いになったでしょ?奈緒美も、男性にお仕えして、本当の自分が求めているものがわかったの。だから、ね、私たちお別れしましょう。本当にごめんなさい・・・。」 cool18.com

  ビデオの中の『女性』は、後半部分では大粒の涙を流し、結花との別れ一方的に告げているのです。もちろん、それは、強制的に演技させられている悔しさと屈辱と、恥辱による涙でしたが、映し出される姿は、自らの性癖の為に、別れを告げる悲しみの涙として映っていました。 cool18.com

  翌日からの私は、すべての抵抗をあきらめ、「3ヶ月だ。3ヶ月の辛抱なんだ。そうすれば、こんなばかげた出来事はすべて夢の中になる。」と心に言い聞かせるようになったのです。そして、同時に、毎晩、ベッドに入る前に、カレンダーの日付を一日一日塗りつぶしていくことだけが、唯一の心の支えになっていったのです。 cool18.com

第5章-1 cool18.com

  結花宛のプライベートビデオ撮影の翌日から約十日間、私は徹底的な女性化のための指導を受けました。それはまさに一挙一動にいたるまでの事細かな内容で、女性用の下着の付け方、メイクの仕方、服の着こなし、身のこなし、女性的な身の振る舞いなど、正に寝る間も惜しんでの指導でした。さらに情緒不安定になる私に、精神安定剤だと称して、錠剤の薬品が与えられました。もちろん、拒否したかったのですが、精神的に楽になれるのならと、言われるままに口にしました。しかし、その錠剤が高濃度の女性ホルモン剤であることは、ずっと後になって知らされたことでした。 cool18.com

  その後、カレンダーの日付に×が十二、三個ついた日の朝、急に部屋のドアが開けられ、本城と田中が大きな荷物を次から次へと運び込んできたのです。二人は、クローゼットを開けると、荷物の中から、洋服らしきものを取り出すと、ハンガーに一つ一つ掛けていきました。 cool18.com

  「な、何なんですか?それ・・・。」 cool18.com

  私は、急に部屋に入り込んで作業をする二人に、大声で怒鳴りつけようとしましたが、長期間にわたる女性的な優しい話しぶりの特訓と、密かに投薬されていた女性ホルモンの影響でしょうか。口をついて出てきた言葉は、優しくおとなしいものになっていました。 cool18.com

  二人は、そんな私のか細い声を無視するかのように、作業を続け、すべての洋服をハンガーに掛け終わると、荷物の空き箱を折りたたみ、両脇に抱えながら、部屋を出て行きました。ドアの二つの外鍵をがちゃりと施錠する音を残して。 cool18.com

  私は、ベッドから急いで飛び起きると、クローゼットのドアを開け、中を確かめました。そこには目を見張るばかりの夥しい種類の衣類で、色彩も素材も多種多様で、まるで、どこかのブティックの店内を見ているようです。足元に視線を落とすと、靴箱の中にも新たに加えられた新品の靴が、ぎっしりと並びられています。しかも、引き出しを開けると、そこにも新たな女性物のランジェリーが所狭しと並べられ、ドレッサーのテーブルにも明らかに化粧品が増えています。それまでのメイド服しか入っていなかったクローゼットとは、あまりにも異なった光景に、一瞬とまどいを覚え、新たに掛けられた衣類を一着ずつ、確かめるように広げてみました。ごく普通のスカートやワンピースなどに混じって、セーラー服や、ナース服、スチュワーデスの制服、レースクィーンのコスチューム、さらには、ボディコンのワンピースや、チャイナドレス、バニーガールのコスチュームといった明らかに、コスプレ用の衣服もありました。 cool18.com

  (ああ・・・これから・・・こんな物を着なければならないのか・・・。) cool18.com

  私は、そう思うと、悲しさと情けなさが襲ってきて、涙が溢れてくるのがわかりました。 cool18.com

  その時、再びドアの外鍵の開く音がし、涼子が本城を伴って部屋に入ってきました。 cool18.com

  「あら、奈緒美ちゃん、もう、起きてたのね。いつも、感心ねぇ・・・。」 cool18.com

  「り、涼子お姉様、おはようございます。」 cool18.com

  私は、約十日間の徹底的な指導の間、今後は、妻である涼子を『お姉様』と呼ぶように、そして、村井のことを、『お兄様』、本城と田中をそれぞれ『充様、聡様』と呼ぶように指示されていたのです。 cool18.com

  「まあ、ホントにすっかり素直になって、可愛い女の子になったわね、奈緒美ちゃんは・・・。本当は夫の高野直樹だなんて信じられないわね。ねえ、あ・な・た・・・。フフフッ・・・。」 cool18.com

  涼子は意地悪く、あえて、私のことを『あなた』と呼びかけ、それでも私が抵抗せずに、自分のことを『お姉様』と呼ぶことに、サディスティックな喜びを感じているようでした。 cool18.com

  「さあ、奈緒美ちゃん、今日からは新しいお勤めが始まるから、がんばってね。フフフ・・・。」 cool18.com

  涼子は、意味深な笑みを見せて言ったのです。 cool18.com

  「あ、新しい・・・、新しいお勤めって・・・?」 cool18.com

  心の中の不安が、またわき上がってきます。 cool18.com

  涼子は、そんな不安そうな私の様子を見つめながら、さらにサディスティックな笑みを浮かべて言ったのです。 cool18.com

  「せっかく、可愛い女の子になったんだから、この家のメイドとしてしっかりお仕事しなくちゃ・・・ね。」 cool18.com

  私は、涼子の言葉によって、現実に引き戻された思いでした。 cool18.com

  そうだったのです。私は、この家のメイドとして3ヶ月間勤めるのが契約の内容だったのです。私は、約十日間の徹底的な女性化教育の多忙なスケジュールの中で、そのことをすっかり忘れてしまっていたのです。 cool18.com

  けれども、ある意味で私はホッとした気持ちもありました。なぜなら、メイドとして家事をこなすだけのことなら、三ヶ月という日々は意外と早く過ぎ去ってしまいそうに思えたからです。現にすでに二週間が過ぎているのです。もちろん、男の身でありながら、女性として振る舞い、メイクをしたり、女物の衣服を身につけること、そして、妻である涼子を『お姉様』と呼び、憎むべき村井を『お兄様』と呼び、さらには、自分より年下の本城や田中にまで敬語を使わなければならないということは、私にとってはこの上もない屈辱です。しかし、それだけなら、我慢して演技をし続ければ、何とか三ヶ月という月日をやり過ごすことができると思えたのです。 cool18.com

  しかし、涼子の言葉は、そんな私のかすかな希望の光をも打ち砕いたのです。 cool18.com

  「あ、家事とかじゃないのよ。奈緒美ちゃんにしてもらうのは・・・。そんなことは、もっと後でしてくれればいいの。それより、大切なお仕事があるの。奈緒美ちゃんにしかできないお・し・ご・と・・・。ねぇ、充さん?」 cool18.com

  涼子は、傍らにいる本城に視線を送りました。本城もそれに答えるように、黙って頷きました。ただ、その口元には明らかに下心のありそうな、下卑た笑顔が浮かんでいましたが。 cool18.com

  「今日からはね、朝、メモを渡してあげるから、その通りの格好で私たちの部屋にいらっしゃい・・・。はい、じゃ、これは、今日の分ね。急いで支度するのよ。わかったわね。」 cool18.com

  涼子はそう言うと、テーブルにメモを置き、本城をつれて部屋を出て行きました。 cool18.com

  私は、不安を打ち消すように、テーブルに置かれた小さなメモ用紙を手に取り、視線を落としました。 cool18.com

  『奈緒美ちゃんへ、 cool18.com

  今日は、セーラー服を着てくること。       cool18.com

  下着はピンクの上下、メイクは女子高生らしい薄いナチュラルなものにね。 cool18.com

  今まで教えてあげたんだから、自分でできるでしょ。 cool18.com

             涼子お姉様より。』 cool18.com

  私は、先ほど、本城と田中が、運び込んできた夥しい種類の衣類の使い方が、やっとわかりました。 cool18.com

  「こ、こんなこと・・・、毎日しなければならないのか?こ・・・これじゃ、まるで着せ替え人形じゃないか・・・。バカにするな・・・。」 cool18.com

  私は、思わず強い口調で独り言を漏らすと、手にしたメモ用紙を投げ捨てました。 cool18.com

  しかし、次の瞬間、契約書のこと、写真のこと、そして、あの恥ずべきビデオのことが、次から次へと、頭に浮かんできたのです。 cool18.com

  私は、彼らの脅迫のネタが二重にも三重にも重なり合って、自分を追いつめていく現実に気づき、改めて、後悔の念が沸いてきたのです。しかし、今更どうすることもできません。私には涼子からの指示を拒否することなどできませんでした。 cool18.com

  私は、ランジェリーの入った引き出しから、指示通りのピンクのブラジャーを取り出すと、人工的にDカップのバストを作り出すシリコンパットと共に、胸につけ、次にセットになっているショーツに両脚を通しました。そして、その下着姿のまま、ドレッサーの前に腰掛けると、淡いピンクを主体にしたナチュラルメイクを施し、最後に、ストレートロングのウィッグを被りました。私は、自分から、鏡の前に座り、自分の手で女性に変身していくことに、ひどい屈辱感を感じ、自然と涙が溢れてくるのがわかりました。けれども、もたもたしている時間はありません。それが、彼らの、特に村井と涼子の機嫌を損なうことになるのがわかっていましたから。 cool18.com

  私は屈辱感を振り払うように、一度、思い切るように大きく頭を振ると、クローゼットの扉を開け、セーラー服を取り出しました。それは、かなりしっかりとした素材でできていて、いわゆるプレイ用の粗悪な品物でないことは、手にしただけでわかりました。上着に袖を通し、鏡に向かって、スカーフを結ぶ仕草は、自分でも意外な程スムーズで、改めて、この十日間の女性化指導が自分への大きな変化をもたらしたことを認識したのでした。私は、小さなため息を一つつくと、最後にセーラー服のスカートを手に取り、広げてみました。と、その瞬間、息が止まるほどの驚きと同時に、顔がパーッと赤らむほどの羞恥心が沸いたのです。スカートの丈が、一見して、短いものだということがわかったからです。 cool18.com

  「こ、こんな、短いの・・・。」 cool18.com

  私は、震える手でそれを取り上げると、恐る恐る両脚を通し、姿見に映してみました。それは、案の定、想像を超えた短さで、超ミニをはき慣れた最近の女子高生でも恥ずかしくて、履かないであろうと思われるほどの超マイクロミニだったのです。特にヒップを覆う後ろ部分の短さは、直立しているだけでも、わずかにピンクのパンティが顔をのぞかせるほどでした。 cool18.com

  「だ・・だめだ・・・こんなの・・・履けるわけない・・・。」 cool18.com

  私は、思わず、一旦は止めたファスナーを、もう一度外そうと、羞恥に震える手を伸ばしました。けれども、次の瞬間、彼らによって脅迫されている自分の姿が心の中にはっきりと浮かび上がり、   cool18.com

  (でも・・・僕には・・・もう、拒否することはできないんだ・・・・・黙って従うしかないんだっ・・。) cool18.com

  と、自分に言い聞かせ、ファスナーを外そうとする手を止めました。 cool18.com

  私は、最後に女子高生らしい黒のローファーにかかとを入れると、準備が終わったことを知らせるために、ドアのそばにあるベルのスイッチを押しました。 cool18.com

  しばらくして、外鍵が開く音がし、静かにドアが開けられると、そこには本城の姿ありました。 cool18.com

  「おお、可愛いじゃねぇか・・・。」 cool18.com

  本城は、私を一目見るなり、そう言うと、口元に下卑た笑みを浮かべたのです。 cool18.com

  私は、羞恥心のために、その目を直視することはできませんでした。そして、本城に促されるままに、廊下を進み、村井たちが待ち受けているであろうリビングの前で立ち止まると、自らの気持ちを落ち着かせようと、一つ大きな深呼吸をしました。心臓は、激しく鼓動し、今にも飛びださんばかりだったからです。 cool18.com

  「おお、似合うじゃねぇか・・・。セーラー服が・・・。ホント、どこから見ても、可愛い女子高生だぜ・・・・。」 cool18.com

  震える足取りで、リビングに入った私を見て、村井が開口一番、大声で言いました。 cool18.com

  「ホントねぇ・・・。奈緒美ちゃん、可愛い系も十分いけるのね・・・。フフフ・・・。」 cool18.com

  残酷な涼子の声が、さらに追い打ちをかけるように耳に届いてきました。 cool18.com

第5章-2 cool18.com

  リビングでは安っぽい「撮影会」が行われました。もちろんモデルは男でありながら、挑発的なセーラー服を身につけ、女子高生を演じている私です。約二時間ほどの間、村井たちの指示により、様々なポーズをとらされました。通学途中で一人佇むポーズや、窓辺の椅子に腰掛けて読書をするポーズといったソフトなものから始まって、まるでアダルト雑誌のグラビア写真のように、ちょっと前屈みになってチラッと下着を見せながら挑発するような視線を送る女子高生のポーズまで、彼らの指示は留まることを知りません。その間、田中の手に握られたデジカメのシャッター音が間断なく続いていました。 cool18.com

  (早く・・・早く・・・終わってくれ・・・。) cool18.com

  私は、激しい羞恥心の高まりの中で、それだけを念じながら、その苦痛に必死になって耐えたのです。すでにビデオテープまで撮られていた私には、こんな撮影だけなら、なんとか耐えることができるという思いもあったのです。しかし、彼らのサディスティックな嗜好は、そんなもので収まるほど、生やさしいものではありませんでした。 cool18.com

  ポーズのアイディアも、出尽くし、『可憐な女子高生』の撮影会が一段落すると、本城が村井に向かって、口を開きました。 cool18.com

  「なあ、兄貴ぃ・・・。もういいだろう?例のやつ・・・やろうぜ。なんか、こいつ見てるとムラムラしてきて、俺・・・これ以上我慢できねぇよ。」 cool18.com

  本城は、周囲の目も憚らず、下品にもズボンの前に手をやり、右手でさすりながら言ったのです。 cool18.com

  「バカ野郎・・・、まだ、早いんだよ・・・。しょうがねぇなぁ、本当に・・・。アハハハ・・・」 cool18.com

  村井の言葉は、本城をたしなめているようではありましたが、その表情からは、何か下心がありそうな雰囲気がありありと浮かんでいました。 cool18.com

  「村井ちゃん、そりゃ、充ちゃんだって、かわいそうよ。若いんだから・・・。こんな可愛い子が、あんな短いスカート履いて目の前にいるんだもの、我慢できなくなるわよねぇ・・・。」 涼子が村井に向かって言いました。 cool18.com

  「ホントにしょうがねえやつだな、お前は・・・。じゃ、やるか、例のやつ・・。涼子、奈緒美に説明してやれよ。」 cool18.com

  涼子は、小さく頷くと、その言葉に促されるように、部屋の片隅で無言で座り込んでいる私に近づき、言ったのです。 cool18.com

  「あのね、奈緒美ちゃん・・・、充ちゃんがね、奈緒美ちゃんを見てて、我慢できなくなっちゃったんだって・・・。いいわねぇ、可愛い子はモテモテで・・・。フフフっ・・・。わかるわよね?我慢できないっていう意味が・・・?でね、奈緒美ちゃんに、鎮めてもらいたいらしいんだけど、どう?してあげてくれる?」 cool18.com

  その言葉を耳にした瞬間、私は背筋は、スーッと凍りつくほどの悪寒が走りました。 cool18.com

  いくらセーラー服を着て、女子高生を演じているとは言っても、私は、男です。涼子の言葉の意味がわからないわけはありません。 cool18.com

  「な、何を・・・、何をバカなことを言ってるんだ・・・。」 cool18.com

  私は、思わず、この2週間ばかり使わなくなっていた男言葉で言い返しました。 cool18.com

  「あら?そんな言葉、使っていいの?契約違反じゃないの?フフフ・・・。」 cool18.com

  涼子はそう言うと、村井の方に視線を送りました。 cool18.com

  村井はその言葉に反応するかのように、先ほどまで浮かべていた笑みを消し、キッときつい顔に戻り、私をにらみつけたのです。 cool18.com

  私はハッとし、とっさに言い直しました。 cool18.com

  「そ・・・そんな、お・・・お姉様のおっしゃっていることが・・・わ、わかりません。」 cool18.com

  「困ったわねぇ。男の『直樹』だったら、私の言ってること、すぐ、理解できるはずなのに・・・、女の子の『奈緒美』ちゃんには無理なのかなぁ?」 cool18.com

  涼子は私の屈辱感を煽るようにわざとらしい言葉を投げかけてきました。 cool18.com

  「だからぁ、充ちゃんの性欲を奈緒美ちゃんが鎮めてあげるのよ。わかるでしょ?」 cool18.com

  「・・・・・・・」 cool18.com

  「ああ、もう、じれったい、充ちゃんのオチンチンから、溜まってるザーメンを抜いてあげるの。奈緒美ちゃんが・・・・ね。わかった?どうなの?するの?しないの?」 cool18.com

  私は全身から力が抜けていきました。しかし、次の瞬間、男の身でありながら、他の男の性欲を鎮めるという行為が、どれほど屈辱的なことかを想像し、とっさに大声で叫びました。 cool18.com

  「そ、そんな、こと・・・。で、できませんっ・・・。できるはずが・・・ありません。」 cool18.com

  思わず、男言葉が出そうになるのを、ぐっと抑え、彼らの気持ちを逆撫でしないよう、言葉を選んだのです。自分の激する感情まで抑えなければならない惨めさのために、全身にたとえようもない震えが走りました。 cool18.com

  「そうかぁ・・・。そりゃ、そうよね、できるはずがないわよね。いくら可愛い女子高生に化けたと言っても、奈緒美ちゃんは、ホントは私の夫の直樹なんだものね・・・?男のくせに、男の相手なんかできるわけないものね・・・。だ、そうよ・・・、村井ちゃん。なんか無理みたいよ。」 cool18.com

  涼子は、口元に冷たい笑みを浮かべて、村井に言ったのです。 cool18.com

  「そうだなぁ、仕方ないなぁ。あきらめるか・・・、なあ、充?」 cool18.com

  村井のその言葉は、本城をたしなめるようなものでしたが、その奥には、はっきりと下心のあることが、わかりました。しかし、それでも、屈辱的な行為を避けることのできるかすかな望みが、村井の口から発せられるのを待ちました。 cool18.com

  「じゃ、やめるか。」 cool18.com

  村井は一言、そう言うと、おもむろに立ち上がりました。 cool18.com

  私は、ホッと胸をなで下ろしました。自分の必死の願いが通じたのだと思ったのです。 cool18.com

第5章-3 cool18.com

  ところが、次に村井の口から出た言葉は、冷水を頭から浴びせるかのような衝撃的なものでした。 cool18.com

  「それじゃ、終わりだ・・・。契約の話も何もかもな・・・・。但し、二億円は即刻払えよ。それから、例の写真も会社に、それからっと、ビデオを結花って女のところに送るからな。充、準備しろ。さあ、終わりだ終わりだ・・・。」 cool18.com

  村井は本城の方に視線を送ると、そのまま、部屋を出ようと、ドアに向かって歩き出したのです。 cool18.com

  村井が「やめる」と言ったのは、これから始まる行為のことではなく、契約のことだったのです。 cool18.com

  「ま、待ってくれ・・・。お願いだ、まってくれぇ・・・。」 cool18.com

  私はそれまで抑えていた、感情を爆発させるかのように叫んだのです。 cool18.com

  その言葉に、村井は一瞬足を止めると、ヤクザらしい、すごみのある表情で睨みつけてきたのです。私は、指示を思い出し、言葉を選ぶように言い直したのです。 cool18.com

  「お、お待ちください、お兄様・・・。お・・お願いです。そ・・・それだけは、おやめください。」 cool18.com

  村井は、きびすを返すと、部屋の中央に戻ってきました。 cool18.com

  「じゃ、どうするんだ?俺の言うことも聞けねぇ、契約も終わらせたくねぇって言われてもな・・・。第一、今、お前、男の言葉を使ったじゃないか?それだけで、契約は終わりなんだぜ・・・。ホントはな。」 cool18.com

  村井の言葉は、いつしかドスのきいたヤクザ口調に戻っていました。 cool18.com

  私の全身の力が一気に抜け、抵抗しようとする気力も失せていきました。残ったのは、脱力感とある種の諦観だけでした。 cool18.com

  「わ・・・わかりました。指示には・・・指示には、従います・・・・こ、これで・・・いいですか?」 cool18.com

  「なんか、イヤイヤじゃねぇか・・・、それじゃあよぉ。」 cool18.com

  イヤイヤに決まっているじゃないか。何を言ってるんだと怒鳴りつけてやりたい思いでしたが、私は、それを押し殺し、村井の顔を睨みつけたのです。  cool18.com

  「何だ?その反抗的な目は・・・・?いいんだぞ。やらないなら、やらないで・・・。俺の方はかまわねぇからな・・・。」 cool18.com

  村井の言葉は、私の弱みを全て握っていることによる有無を言わせない迫力のある言葉でした。 cool18.com

  「ご・・・ごめんなさい・・・、もう、反抗的な目は・・・しませんから・・、お願いします。許して・・・ください。」 cool18.com

  私は、卑屈にも、頭を何度も下げ、自分の本心を悟られないように気をつけながら、言いました。 cool18.com

  「そうか・・・わかりゃいいんだ。でも、言っておくけど、これが最後だぜ・・・。もし、今度、そんな目をしたり、男言葉を使ったりしたら、その時は・・・わかってるだろうな?」 cool18.com

  「わ、わかりました・・・。二度と・・・二度と、反抗的な目をしたり、男言葉を使ったりは・・・しません・・・。だから・・・だから・・・」 cool18.com

  私は、こみ上げてくる屈辱感に涙が溢れてきて、今にもこぼれ落ちそうになりました。 cool18.com

  「フフフ・・・、やっと、わかったようね・・・。自分の立場が・・・。いい?あなた、お化粧してるってこと忘れちゃだめよ。そんな可愛い顔して、にらんでみても、迫力も何もないの。わかる・・・?さあ、わかったら、私の言うとおり言い直しなさい。いいわねっ?」 cool18.com

  涼子は、私に近づき、耳元で、これから私が口にしなければならない屈辱的なセリフを囁くのでした。そして、抵抗することを完全に放棄した私は、そのセリフをただ意味もなく、オウム返しのように繰り返したのです。 cool18.com

  「ホ・・・ホントに・・・、反抗して・・・ごめんなさい。奈緒美は・・・奈緒美はいけない子でした。これからは・・・絶対に言いつけを・・・守ります。お兄様やお姉様、それに充様や聡様の・・・素直な可愛い・・・・お・・・女・・・女の子になります。その証として・・・これから、充様の・・・お・・・お相手・・・お相手をさせていただきます。いいえ、イヤイヤなんかじゃありません・・・。奈緒美は・・・奈緒美は・・・男の方が・・・す・・・好きなんです。男の方から・・・愛されたいって思ってたの。だから・・・お願い・・・奈緒美を・・・奈緒美を・・・女の子として、可愛がって・・・。ね? 充様・・・。」 cool18.com

  私の屈辱的なセリフが終わると、部屋中にはやし立てるような笑い声が響いたのでした。 cool18.com

  「あらあら、そんなこと言っちゃって・・・。ホントにあなたって情けない人。男のプライドっていうものがないのかしら・・・全く。もしかしたら、こうなることを望んでたんじゃないの?そうでなくちゃ、言えないわよ、そんなセリフ・・・。仮にも私はあなたの妻なのよ。その妻に向かって『お姉様』なんてよく言えるものね。でも、もういいわ。あなたのそんな姿見てたら、夫だなんて思えないもの。これからは、せいぜい、可愛い妹だと思ってあげるから、あなたもそれに応えて、素直な女の子にならなくちゃだめよ。いいわね?奈緒美ちゃん・・・。」 cool18.com

  私は、そんな涼子の蔑んだ言葉にも、ただうつむきながら、黙って聞いているより他に術はなかったのです。  cool18.com

第6章-1 cool18.com

   男でありながら、一人の女子高生として、他の男の「性欲」に奉仕する・・・そんな屈辱的な行為に同意した私に用意されたのは、またしても、例のビデオカメラでした。 cool18.com

  入念な打ち合わせの後、録画のスイッチが押されると、あのプライベートビデオの撮影時に使われた小さなイヤホン越しに涼子の指示が次々と飛んできます。まるで安物のアダルトビデオのような、芝居がかったその後のやりとりもせりふもすべてイヤホン越しの指示によるものです。 cool18.com

  それからの約2時間の撮影は、私にとって地獄のような時間でしたが、あまりにも信じがたい行為の連続だったこともあって、まるで、夢の中で、うつろなまま時間だけが経過していたようにも思えます。 cool18.com

  その時の私の様子は、プライベートビデオのパート2「女子高生 直樹(奈緒美)」編として今も映像に残っています。聞くところによると、一部の闇ルートでニューハーフ女子高生もののビデオとして出回っているそうですが、その当時の私には単に彼らの手元に私を脅迫するネタが、また一つ増えたという厳然たる事実以外のなにものでもありません。 cool18.com

  私はこの告白で、すべてをお話するように言われていますので、このビデオの内容についてもお話しなければなりません。ごらんになっていらっしゃらない方の方が多いと思いますので、恥を忍んで、その内容をお話いたします。 cool18.com

第6章-2 cool18.com

   設定は、ある一人の高校生(私です。)とその家庭教師で大学生の(本城充)の間で繰り広げられる安物のお芝居です。年齢の設定は本城の方はほぼ年齢通りですが、私の方は、実際の年齢よりも、6つも若い設定です。設定はいかにも不自然ですが、そんなことはどうでもいいことです。なぜなら、そのビデオは、彼らにとってその後の脅迫の材料として握っていたいだけだったからです。後に、裏ルートで販売されるようになったのは、あくまで副次的なことでした。 cool18.com

  ビデオは、最初に安っぽいタイトルが入り、次に、勉強机に向かう一人の男子高校生役の私が映ります。詰め襟の制服をきちんと身につけ、教科書に視線を落としています。そこへ、家庭教師役の本城が入ってきます。 cool18.com

  「どうだ?勉強は進んでいるか?受験ももう少しだから、がんばるんだぞ。」 cool18.com

  本当にわざとらしいせりふです。でも、そんなことはどうでもいいことです。何度も言いますが、内容なんて全く意味を持たないビデオなんですから。 cool18.com

  「はい、でも、ここのところがわからなくて・・・。」 cool18.com

  高校生(私)は、そう言うと、教科書の問題を指し示します。 cool18.com

  「どれどれ・・・。あ、うん、それはな・・・」 cool18.com

  本城がペンを取り出し、あれこれ説明し始めます。 cool18.com

  高校生(私)は、そんな本城の横顔に憧れを抱いた熱い視線を送ります。 cool18.com

  やがて、いったん部屋で一人になった高校生(私)は、机の引き出しから、一枚の写真を取出し、ため息混じりに見つめるのです。その写真には本城の微笑みを浮かべた顔が写っています。 cool18.com

  「ああ、先生・・・・、ぼ、僕、先生のこと・・・す・・・好きです。だから、僕、先生にだけは、ホントの秘密、教えてあげる・・・。」 cool18.com

  写真に向かってそう言うと、椅子から立ち上がり、制服を脱ぎ始めます。すると、詰め襟の制服の下からは、淡いピンクのブラジャーとパンティが現れます。 cool18.com

  やがて、画面が切り替わり、ドレッサーの前に座っている高校生(私)が映し出されます。そして、次々に手際よくメイクを施していくのです。その表情は、好きな男のことを考えながら、夢見心地になっている少女そのものです。 cool18.com

  すべてのメイクが終わり、ウィッグを被ると、ドレッサーからセーラー服を取り出し、袖を通し始めます。あの、極端に短いスカートにも両脚を通します。 cool18.com

  「ぼ、僕、ホントは、お・・・女の子になりたいの。女の子になって、先生に、あ・・・愛されたい。お願い、先生、『奈緒美』を・・・愛して・・・。」 cool18.com

  すっかり女子高生に姿を変えた高校生(私)は、挑発的なセーラー服姿で、机に座ると、何事もなかったように、教科書に目を落とすのです。        cool18.com

  次の瞬間、ドアが開く音がして、 cool18.com

  「やあ、ごめん、ごめん、待たせちゃ・・・・」 cool18.com

  本城の驚いた顔が大写しになります。 cool18.com

  「あ、す、すいません。へ、部屋を間違えたみたいだ・・・。」 cool18.com

  本城はそう言うと、ドアを閉め、部屋を出て行こうとします。 cool18.com

  「ま、待って、先生。ぼ、僕・・・直樹だよ。高野直樹だよ。」 cool18.com

  「えっ?何だって?本当に直樹君か?」 cool18.com

  私は黙って頷くのです。 cool18.com

  再び、画面が切り替わって、 cool18.com

  「そうか、よくわかったよ。君は本当は、女の子になりたかったんだね。そういう人がいるっていうのは、先生も聞いたことがあるよ。でも、君がそうだとは思わなかったけどね。」 cool18.com

  「・・・・・」 cool18.com

  「だけど、女の子になって、どうしたいんだ?君は?」 cool18.com

  「ぼ、僕、せ、先生のこと、す・・・・好きなんです。だから、女の子になって・・・せ、先生に・・・、愛されたいって・・・。」 cool18.com

  本城のわざとらしい、驚いた表情が映し出されます。 cool18.com

  「な、何だって、き、君はそんなこと、考えていたのか・・・?だけど、私にはそんな男同士の趣味はないしなぁ・・・。」 cool18.com

  「ごめんなさい、先生・・・。男の子の直樹じゃ、愛してくれませんよね。」 cool18.com

  高校生(私)は、心を落ち着かせる大きく息を吐くと、 cool18.com

  「でも、これからは、女の子の『奈緒美』だと思って・・・、愛してくれませんか・・・?お、お願いです、先生・・・。な、奈緒美、先生のこと好きなの。ね?お願い。奈緒美を・・・嫌いにならないで・・・。」 cool18.com

  と、女言葉で言いながら、本城の胸に顔を埋めるのです。 cool18.com

  「わかった。わかったよ、君の気持ちは・・・、そうか、奈緒美って言うんだね。君の名前は・・・。」 cool18.com

  「先生・・・、奈緒美っ呼んでくれますか?そして、奈緒美を愛してくれますか?」 cool18.com

  画面の中の奈緒美(私)は、上目遣いに見上げながら、切なそうな声で聞くのです。 cool18.com

  「わかったよ、な、奈緒美。でも、私は、さっきも言ったけど、男同士の経験なんてまったくないんだ。だから、君に女の子として魅力を感じることができるかどうか・・・。」 cool18.com

  「ねぇ、先生・・・、今から、奈緒美がどんな女の子か、見せてあげる・・・・。それでも、奈緒美のこと、魅力のない女の子だと思ったら・・・、奈緒美、あきらめる。先生のこと・・・。」 cool18.com

  奈緒美(私)は、椅子から立ち上がり、部屋の中央で、本城の視線を意識するように、いろいろなポーズを取り始めるのです。 cool18.com

  それは、やがて、立って微笑むだけのソフトタッチなものから、だんだんと大胆なものに移っていきます。後ろを振り向いて少し前屈みになり、淡いピンクのパンティをチラッとのぞかせながら、微笑み返したかと思うと、床にしゃがんで両膝を腕で抱えながら、足先だけを少しずつ広げ、前からパンティをあらわにしたり、まるで男を誘うかのようなポーズをとり、そのたびに、媚びを含んだ視線を本城に投げかけるのです。 cool18.com

  ビデオカメラは、時折、本城の顔を映し出します。彼の顔にだんだんと興奮の色が露わになっていき、息づかいも荒くなっていくのがわかります。 cool18.com

  「も、もう、いいよ、奈緒美・・・、これ以上そんなポーズを見せられたら、せ、先生・・・、が・・・我慢ができなくなっちゃうから・・・。」 cool18.com

  奈緒美(私)は、その言葉を無視するかのように大胆なポーズをとり続けます。 cool18.com

  「わ・・・わかった。君は本当に可愛いくて、魅力的な女の子だってこと認めるよ。先生もな・・・奈緒美のこと、好きになりそうだよ。」 cool18.com

  「ホント・・・?先生・・・?奈緒美、うれしい・・・。」 cool18.com

  「ホントだよ。先生、奈緒美のこと見てたら、ホラ、こんなになっちゃったよ。」 cool18.com

  本城はそう言うと、ズボンの前を右手で盛んにさすり始めるのです。 cool18.com

  奈緒美(私)は、ポーズを取るのをやめ、本城のそばに近づくと、その足下に跪き、ズボンのファスナーに手を伸ばすのです。 cool18.com

  その時、私は、背筋にこれまで生きてきた中でも経験したことのない、激しい悪寒を感じたのを覚えています。いくら、諦観の中にあったとは言え、現実に、これから自分が行うことを想像すると、とても撮影を継続することはできなかったのです。私の激しい抵抗により、撮影は何度も中断しました。その証拠にこれ以降の画面は、数カ所に渡り切れ目が入っていて、途切れ途切れの撮影であったことがわかります。もちろん、最終的には、彼らの脅迫に屈することになるのですが。 cool18.com

  「な、奈緒美・・・。な・・・何をするつもり・・・?」 cool18.com

  本城が困ったような表情で足下に跪いている私を見つめます。 cool18.com

  「ううん、先生、大丈夫。奈緒美に任せて・・・。奈緒美、先生に喜んでもらいたいの。」 cool18.com

  奈緒美(私)は、上目使いにしながらささやくように言うと、ファスナーに手をかけ、ゆっくりとおろし、そこから、本城の、すでにたくましくいきり立った誇張を窮屈そうに引き出すのです。 cool18.com

  「ああ、すてき・・・。先生、奈緒美を見て、こんなに興奮しているのね。奈緒美、うれしい・・・。ね、先生、奈緒美に・・・ちょうだい。先生の・・・、オチンチン・・・、奈緒美にちょうだい。」 cool18.com

  奈緒美(私)は、ピンクのルージュの引かれた唇から赤い舌先を覗かせ、誇張の先端に触れていくのです。 cool18.com

  本城はその瞬間、ピクッと体を反応させます。 cool18.com

  奈緒美(私)舌の動きは、誇張全体を上下にさすりあげたり、時には唇に含んで、チロチロと動かしてみたり、さらには喉奥まで飲み込んでみたりと、まるで自ら男の性を求める淫乱で男性経験の豊富な女子高生にしか見えません。 cool18.com

  「な、奈緒美、き・・・君は・・・ホ、ホントにすてきな・・・お、女の子だよ。ああ・・・、き、気持ちいい・・・。」 cool18.com

  奈緒美(私)は、本城の言葉に応えるかのように、上目使いに媚びを含んだ微笑みを見せながら、喉奥まで誇張をくわえ込むと、ジュルジュルという隠微な音をさせながら、顔を激しく上下します。 cool18.com

  「ね、奈緒美に、先生の、セ、セーエキ・・・ちょうだい。いっぱい、いっぱい・・・ちょうだい・・・。」 cool18.com

  奈緒美(私)は、唇を離すと、憂いを含んだ瞳を向けながら、囁きかけるのです。「い・・いいんだね、く・・口に出しても・・・、いいんだね・・・先生、奈緒美のく、口に出しちゃうよ。いいね・・・?」 cool18.com

  奈緒美(私)は何度も小さく頷きながら、激しく頭を上下させます。頬をすぼめ、思い切り吸い込んでいるのが画面からもはっきりとわかります。 cool18.com

  「い、イクよ。イク、イク・・・・」 cool18.com

  次の瞬間、本城は、くぐもった声を発すると、奈緒美(私)頭を両腕でしっかりと支え、ぐいっと引き寄せるのです。それは、自らの情欲を最後の一滴まで、喉奥に注ぎ込んでやろうとする男の征服欲の現われのようです。 cool18.com

  今思い返すと、この時の苦しみは、本当に涙が出るほどでした。しかし、私をもっと悲しくさせたのは、口の中で本城の誇張が一気に膨らみ、次から次へと容赦なく喉奥を襲ってくる熱い樹液を受け止めながらも、それをはき出すことさえ許されないという現実、しかも、そんな行為を男でありながら女として演じなければならないという現実を拒否することもできない無力感を伴ったものでした。 cool18.com

第6章-3 cool18.com

  本城の痙攣が収まり、熱い樹液の放出が終わるのがわかると、奈緒美(私)はゆっくりと口を離します。そして、本城の顔を見上げ、ニコッと微笑むと、唇を静かに開き、白濁した精液が舌に溜まっているのを示し、そして再び、唇をしっかりと結ぶと、ゴクリと音を立てて、白濁を嚥下していくのです。 cool18.com

  「奈緒美、うれしい、先生が感じてくれて・・・。ねえ、気持ちよかったでしょ?奈緒美の、オ・ク・チ・・・。」 cool18.com

  本城は、深い深呼吸をしながら、 cool18.com

  「う、うん・・・、すばらしかったよ。でも・・・、どこでこんなこと覚えたんだい?奈緒美は・・・。」 cool18.com

  「あのね、奈緒美、いつも先生のこと考えながら、バイブ使って・・・、練習してたの。」 cool18.com

  「そうか、私のためにそこまでしていてくれたのか。奈緒美は本当に可愛い女の子だね?わかったよ、奈緒美。これから、君は、僕の恋人だ。男子学生の高野直樹はもういないんだ。」 cool18.com

  「ホント?そう思ってくれる・・・?奈緒美のこと、本当の恋人だと思ってくれるのね?」 cool18.com

  「ああ、ホントだよ。」 cool18.com

  「うれしい・・・。」 cool18.com

  私は、本当にうれしさを抑えきれない様子で、大量の放出で萎えた本城のそれにもう一度、唇を寄せ、舌先をのばすと、ゆっくりと、撫でさするように這わしていくのです。 cool18.com

  「ど、どうしたんだよ。奈緒美。もう、終わったじゃないか・・・?」 cool18.com

  「だって、先生、奈緒美のこと、恋人だって言ってくれたじゃない?」 cool18.com

  「言ったけど、だからって・・・、もう・・・」 cool18.com

  「恋人なら、奈緒美、先生と・・・、セ、セックス・・・したいの。」       「ええ?だ、だって、君は男・・・・じゃないか?」 cool18.com

  「いや、先生、奈緒美のこと、女の子だって言ってくれたじゃない。」 cool18.com

  「し、しかし・・・」 cool18.com

  本城はそう言いながらも、若さの証明なのでしょう。私の奉仕によって、またまた誇張を示し始めるのです。 cool18.com

  「先生だって、ほら、また、こんなになってきたでしょ・・・?フフフっ・・。ね、先生、今度は、奈緒美のここに、先生のオチンチン、ちょうだい・・・。」 cool18.com

  奈緒美(私)は、体をよじってマイクロミニに覆われた臀部を持ち上げると、そこを手で触れてみせるのです。それはまるで、自分から好きな男を誘惑し、肛交を催促する淫乱な女子高生をそのものです。 cool18.com

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  その後のビデオの内容は、皆さんのご想像の通りです。私は、遂に憎むべき男の手によって犯されてしまったのです。私は、激しい痛みの中で、本城の2度目の放出を肛門で受け止めながら、止めどなく流れる涙を抑えることはできませんでした。けれども、そんな涙も、ビデオの画面を通して見てみると、好きな男性を、初めて受け入れることができたという喜びに震える一人の女子高生の姿にしか見えません。 cool18.com

第6章-4 cool18.com

  私は、撮影が終わった瞬間に彼らが見せた、異常なまでに興奮しきった表情を今でも決して、忘れることはできません。中でも、涼子は自分の指示したセリフと演技により満足いく仕上がりになったことがよほどうれしかったのか、それとも私に屈辱的な行為を強いることで自らの復讐心を満たすことができたからなのか、満面の笑みを浮かべていました。 cool18.com

  「ホントに、演技とは思えないくらい自然だったわよ。いくら弱みがあるからって、男としてのプライドを持っていれば、こんなことできるはずないもの。ねえ、あなた、ホントは、ずっと、女の子願望あったんでしょ・・・?それも、いつも男が欲しくて溜まらないような淫乱な女の子になりたいって・・・?」  cool18.com

  私は、黙ってうつむいたまま、激しく頭を振りました。しかし、涼子の冷酷な言葉はとどまることを知りません。 cool18.com

  「うそついてもダメよ。そんなわけないもの。だって、あなた、今、何したかわかってるの? 男のくせに、他の男のオチンチンしゃぶったのよ。ザーメンまでゴックンって・・・、そんなこと普通できないわよ。それに、自分からお尻を突き出して、『入れて欲しい』なんて・・・フフフ・・完全に男、捨ててるとしか思えないわ・・・。あなたの前についているそれ、一体何?え?オチンチンじゃないの?男なら、そのオチンチンで女を犯したいって思うのが普通でしょ?それなのに、あなたったら、他の人のオチンチンで犯されたのよ。そんなことよくできたわねぇ・・・。アハハハ・・・。まあ、もっとも、ここでの生活に、あなたのそのオチンチン、使い道はないものね。かわいそうよねぇ・・・、男として、ザーメンぶちまけることもできないんだもの・・・フフフ・・。でも、よかったじゃない。女として、ここにいる男性たちのザーメン、たくさんもらえるんだもん。なんか、うらやましいわぁ・・・。ま、せいぜい、これからもエッチな服着て、男性たちに喜んでもらうことね。そうすれば、もっともっと、ザーメンもらえるわよ。あなたの役立たずのオチンチンの代わりに・・・ね。がんばってね、奈緒美ちゃん・・・。アハハハハ・・・。」 cool18.com

  興奮した涼子のサディスティックな高笑いが、部屋中にこだましていました。私は涙を浮かべながら、そんな屈辱的な言葉をただ黙って聞いているしかありませんでした。 cool18.com

  屈辱と絶望とで疲れ切った私は、とにかくその場から逃げ出したいという思いしかありませんでした。ですから、涼子から最後の挨拶をするように言われ、手渡されたメモ書きの屈辱的な内容も、何のためらいもなく口にしたのです。 cool18.com

  「奈緒美、これからも・・・たくさんたくさん、可愛がってもらいたい・・・の。だって、そうすれば・・・奈緒美の・・・この役立たずのオチンチンの代わりに、たくさんの男性の・・・お役に・・・立てるんですもの・・・。奈緒美、自分にオチンチンがあることなんか忘れて、これからも・・・皆さんに女の子として可愛がってもらえるように・・・が・・がんばりますので、お兄様も・・・充様も、聡様も・・・・ザーメン、たくさん、たくさん・・・奈緒美に・・・ください・・・。」 cool18.com

  そんな強いられた屈辱的な言葉を最後に、その日の悪夢のような出来事は終わりました。こうして彼らの手中に、私を脅す新たな、そして絶対的な材料がまた一つ加わったのでした。 cool18.com

第7章 cool18.com

  屈辱的なビデオ撮影をきっかけに、彼らの欲望はまるでそのタガが外されたかのようにエスカレートしていき、とどまることを知らないかのようでした。 cool18.com

  私は、毎朝、指示された様々なコスチュームとメイクを施すと、リビングに向かい、求められるまま、彼らの性欲に応えることになったのです。彼らは私を一人のメイド、いえ、一匹の性奴としてしか扱ってはくれませんでした。 cool18.com

  もちろんそんな中でも、唯一の希望として毎晩カレンダーにつける×印を心の支えとして耐え続けました。 cool18.com

  しかし、ただ一つだけ、どうしても耐えきれないことがありました。それは、精神的にも肉体的にも過酷な肛交という行為です。もちろん、口を使わされたり、手を使わされたりすることにも、口には出せないほどの屈辱感に感じはしましたが、肛交という行為はその屈辱感に加えて、肉体的な苦痛を伴うものだったからです。特に、いわゆる巨根を持っている村井による肛交は、まさに筆舌に尽くしがたく、初めて挿入された時は、あまりの激痛に悲鳴を上げ、気を失ってしまったほどです。しかも、その出血を伴う痛みは3日間も続いたのです。 cool18.com

  その後、私は、肛交だけは避けようと、積極的に自らの口や手での奉仕に努めました。そうすることでしか、肛交を回避する手段はないと思ったからです。しかし、そんな私の真意を見抜いたように、いえ、嫌がる私にいっそう加虐的な嗜好を刺激されたのか、却って、その行為を求めてくるようになりました。 cool18.com

  私は、激痛と屈辱感から来る大粒の涙を流しながら、その行為に抵抗すらできずに、必死になって耐えました。もちろん、一日一人だけではありません。一人が終わると、休む間もなく、次の相手をしなければならないのです。しかも、そのたびに彼らの趣味に合わせてメイクを直し、コスチュームを着替えます。ナース服を脱いだかと思うと、次はバニーガールスタイルというように・・・。 cool18.com

  そして、3人目の放出を受け止めた後になると、決まって下腹部に鈍い痛みを感じ、トイレに向かいます。彼らの放出する大量の精液が、まるで浣腸液の代わりにでもなったのでしょうか、鈍い便意が引き起こされるからです。便器の中に、白濁した粘り気のある液体が、血液と絡まって落ちるのを目にする時、私の中には、言いようもない無力感が情けなさがこみ上げてくるのです。 cool18.com

  「ホント、奈緒美ちゃんも、かわいそうね。これじゃ、休む暇もないものね。それに、一人一人趣味が違うから、そのたびにシャワーを浴びてメイクし直さなくちゃならないし・・・。普通の女なら、一度お化粧落とせば、その日はもうお化粧なんてしたくもないけど、奈緒美ちゃんはそうはいかないものね。だって、奈緒美ちゃんのお化粧は自分のためにするんじゃなくて、男性に喜んでもらうためにするんですものねぇ。ねぇ?どういう気分?男のくせに、男の人を喜ばすためだけにお化粧する気分って・・・?ねえ、どうなの?『直樹』さん・・・フフフ・・・」 cool18.com

  新たなメイクを施すために、ドレッサーの前に座っている私に、涼子が容赦ない言葉を投げかけてきます。ただでさえ、屈辱感に耐えている私は、メイクの手を止めて、涼子を恨みがましく睨みつけます。 cool18.com

  「あら、何・・?その目・・・。反抗的な目しちゃって・・・。ほめてあげてるんじゃない、可愛い子は得だって・・・、さあ、早くしなさいよ。次は、このワインレッドのルージュでしょ?これで、また、村井ちゃんのオチンチン、おしゃぶりしなくちゃいけないんでしょ?アハハハ・・・。」 cool18.com

  私は、長い廊下に響き渡るような涼子の笑い声を聞き、持っているルージュを思わず、叩きつけようとしましたが、最後の自制心がそれを抑えました。そういったあからさまな反抗的な態度を取ることは、自殺的な行為だと知っていたからです。私は、反抗することすら叶わない、自らの無力感と戦いながら、再び、男たちの欲望を満たすためのメイクに戻るしかありませんでした。 cool18.com

  そんな耐えるだけの日々が数日続いた頃、私は慢性的に続く肛門の痛みと精神的な苦痛から、睡眠が全くとれなくなっていきました。そして、ついには睡眠不足と過労から、彼らの前で倒れこんでしまったのです。 cool18.com

  「ねえ、奈緒美ちゃん、私があげている精神安定剤、ちゃんと飲んでるの?」 cool18.com

  メイド部屋のベッドに全裸で寝かされた私に涼子が怪訝そうな顔つきをしながら言いました。 cool18.com

  そう言えば、涼子から与えられる錠剤を最初の二,三日間、服用しただけで、パッタリと止めていたのです。なぜなら精神安定剤としての効力が全く感じられなかったからです。 cool18.com

  それにしても、なぜ涼子は、精神安定剤の服用を確かめるのに、私の全身をなめ回すように見つめているのか、その理由がわかりませんでした。 cool18.com

  しかし、それも後日、判明しました。その時の涼子が確認したかったのは、私の身体の変化だったのです。そうです。涼子が私に服用を強いたのは精神安定剤などではなく、高密度の女性ホルモンだったからです。もちろん、その時には、全く思いもよらないことでしたが・・・。 cool18.com

  私は、指示に従っていないことで、また脅迫されるという恐怖から、黙ってうつむいたまま小さく首を振りました。 cool18.com

  「だめじゃない。ちゃんと飲まなくちゃ・・・。じゃあ、今日から、これ飲みなさいね・・・。これはね、ただの精神安定剤じゃないの。よく効く痛み止めも入っているの。奈緒美ちゃん、これからも、あの人たちにお尻を使わなくちゃいけないんだから、少しでもその痛みを和らげなくちゃ・・・ね。」 cool18.com

  私は思いがけない涼子の気遣いに、自然と涙が溢れてきました。いくら復讐心があるとは言え、やはり妻のことです。きっと、苦痛にゆがむ私の表情を見て、人間的な同情心が沸いてきたのでしょう。涼子の言葉にはそんな優しさが感じられました。 cool18.com

  「お、お姉様、ありがとう。奈緒美、う、うれしいです。」 cool18.com

  私は涼子の気が変わらないように、細心の注意を払って、謝意の言葉を選び、差し出された錠剤に何の疑いも持たずに飲み込みました。 cool18.com

  数十分後、私の肛門の慢性的な痛みが少しずつ消えていき、いつしか深い眠りに落ちていきました。涼子の言ったように、服用した薬には、よく効く鎮痛剤が入っていたのは確かでした。けれど、その中には他の要素も含まれていたことに、私が気づいたのは、もっとずっと先のことでした。 cool18.com

第8章-1 cool18.com

  涼子の差し出す「鎮痛剤」の服用は、約20日の間続きました。なぜなら、その間も屈辱的な肛交という行為が収まることはなかったからです。しかし、その薬のおかげで、少なくとも肉体的な痛みからは、逃れることができました。 cool18.com

  ところが、ある晩、私は自らの身体に現われ始めた変化に気づきました。 cool18.com

  いつものように村井たちに汚された身体から、その情欲の残滓を洗い流すため、シャワールームに入ってハンドルを回し、シャワーヘッドからの心地よい水流を感じながら、目をつぶりました。ところが、身体を流れ落ちるシャワーの水流がいつもと微妙に違っているような気がして、思わず閉じていた目を開けました。 cool18.com

  胸の辺りを伝う水流が、なぜかかすかな曲線を描いているのです。やせていて胸板も薄く、直線的な体型の私には、何となく違和感がありました。私は、自分の胸の辺りをそっと手のひらで触れてみました。 cool18.com

  (ん?ど・・・どうしたんだろう?太ったのか?) cool18.com

  手のひらに、何となくふくよかな肉の弾力が感じられるのです。しかも、その中心部には固いしこりのような感触もあります。しかし、これまでの過酷な日々の中で、食欲も落ちてしまっているので太るはずがないのです。その証拠に、ウェスト部分にはまったく肉は付いてはいません。私は抑えようのない不安に襲われ、他に変化がないか確かめようと、視線を下に落としてみると、両脚に残っていた脱毛の跡がほとんど見えないことに気づいたのです。そう言えば、この3日間は脱毛そのものも行っていません。さらに、口元に手をやると、指先に髭剃り跡がほとんど感じられず、ツルッとした感触だけが伝わってきます。 cool18.com

  動揺した私は、バスルームから飛び出すと、ずぶぬれのまま姿見の前に立ち、全身を映してみました。 cool18.com

  (ああ・・・やぱり・・・。) cool18.com

  身体の変化を感じたのは、やはり、気のせいではなかったのです。胸だけでなく、腰回りもどことなく丸みを帯び、全体的に曲線的になっています。さらに凝視するように目を近づけると、皮膚そのものも白っぽくなり、肌のきめが細かくなっているのです。もともと男性的な野性味にかけていたとは言え、そこまで女性的だったわけではありません。 cool18.com

  私は急いで涼子を呼ぶと、それらの身体の変化を一つ一つ、説明しました。 cool18.com

  しかし、涼子は、フンッと鼻で笑うと、 cool18.com

  「そんなの気のせいよ。いくら、女の子の格好して、村井ちゃんたちの相手をしているからって、身体まで女の子になるわけないじゃない。きっと疲れているのよ。さあ、そんなこと気にしないで、薬飲んでゆっくり寝なさい。」 cool18.com

  と言うだけでした。 cool18.com

  私は、涼子の言う通り気のせいなのだと自分に言い聞かせ、その晩も与えられた錠剤を飲み眠りにつきました。私に希望をもたらすカレンダーの×印は、すでに40個程になっていました。 cool18.com

第8章-2 cool18.com

  それから、十日ほど経ったでしょうか。その間も、少しずつ変化していた身体は、とうとうはっきりとした女性の身体的特徴を示すまでになっていたのです。 cool18.com

  手足のむだ毛と髭は、まるで永久脱毛をした後のように、完全に消え失せ、跡形もなくなっているのです。体つきもすっかり女性的になり細いままのウエストラインとは対照的に、バストとヒップが、ふくよかな曲線を描いているのです。 cool18.com

  そして最も恐ろしく感じたことは、自らの男性を示すシンボルが極端に小さくなってしまっていて、たとえ朝であっても、勃起することがほとんどなくなっていたのです。 私は、涼子に気のせいではなかったことを、動揺を抑えきれないあわてた口調で伝えました。 cool18.com

  「裸になって、見せてみて。」 cool18.com

  涼子は意外な程冷静な口調で言いました。 cool18.com

  私は、そばに村井がいることも忘れ、涼子の言う通り全裸になると身体を向けました。 その瞬間、涼子は、驚いたような様子を見せ、 cool18.com

  「確かに、変だわ。ねえ、村井ちゃん・・・?」 cool18.com

  と、傍らにいた村井に同意を求めるように言ったのです。 cool18.com

  「ああ、おかしいな・・・。でも・・・こんなことがあるのか?」  cool18.com

  村井にも驚きの表情が浮かんでいます。しかし、二人の言葉にはどことなくわざとらしい雰囲気が感じられ、気のせいか、ほくそ笑んでいる感じもします。けれども、まさかだまされて、女性ホルモンを大量に飲まされていたなどということは、夢にも考えていなかったので、とにかく我が身に起こっている、ただならぬ変化を何とかして止めたいという一心で、村井の運転する車に乗り込みました。目的地は告げられませんでしたが、話しぶりから病院であることだけはわかりました。 cool18.com

第8章-3 cool18.com

  そこは、町はずれにのある古びた個人病院でした。 cool18.com

  玄関に入るなり、村井は受付に断ることもせず、ずかずかと廊下を進むと、診察室と書かれた部屋に入っていきました。受付にいた中年の看護婦らしき女性も、そんな村井を止めません。私はすこし不思議に思いましたが、それが許されるほどの知り合いなのだろうと、大して気にも留めませんでした。 cool18.com

  「ここはね、村井ちゃんの知り合いの病院なの。腕は確かだって。だから、奈緒美ちゃんも安心しなさい。」 cool18.com

  涼子は私を安心させようと、落ち着いた口調で説明しました。 cool18.com

  しばらくして、診察室に呼ばれた私を白衣を着た医師らしき中年の男が招き入れました。その隣には、村井が無言のまま、立っていました。 cool18.com

  男は、自らを『小島』と名乗り、すぐ診察を始めるから、服を脱いで横になるよう指示しました。私は心の中で、できる限り不安を打ち消しながら、ゆっくりと服を脱ぐと、指示された診察台に横になりました。 cool18.com

  「ほほぅ・・・。こ・・・これは・・・。」 cool18.com

  小島は、全裸の私をなめ回すような視線を送ると、一言つぶやいて後はただ黙り込んでしまいました。 cool18.com

  私は、その視線にどことなくいやらしい雰囲気を感じ取り、左右の腕で、小指ほどに小さくなってしまった男性自身と、思春期の少女のような膨らみをみせている胸を隠しました。約二ヶ月もの間、女性として過ごしてきたことで自然にそんな恥じらいの仕草が出るようになっていたのかもしれません。 cool18.com

  小島は、その手を強く押しのけ、無言のまま一通りの診察を続けると、なにやらカルテらしきものにペンを走らせました。 cool18.com

  「これは、性同一性障害の一種ですな。但し、ホルモンのアンバランスにより、このまま、放置しておくと、心臓に負担がかかり、やがて生命そのものに危険が及ぶでしょう。」 cool18.com

  今思えば、小島の説明には、やや芝居がかったものがあり、もしも、その時の私に冷静な判断力が残っていたら、目の前の男が、村井たちとグルになって自分をだましていることに気づいたかもしれません。けれども、女性ホルモンの服用にすら気づいていない私には、それ以上の疑いの気持ちはありませんでした。自らの身体の変化を止めるために、目の前の医師の言うことを信じるしかなかったのです。 cool18.com

  「せ・・生命の・・・危険? つ・・つまり、死ぬってことですか?」 cool18.com

  私は、小島の目を見つめながら、真剣な顔つきで尋ねました。 cool18.com

  もし、ここで死んでしまうことにでもなったら、これまで約二ヶ月もの間、屈辱に耐えてきたことも無駄になってしまう。もしかしたら、いくら脅迫されたとは言え、このような立場になることを選択した自分に罰が当たってしまったのかもしれないという思いさえ沸いてきました。しかし、だからと言って、このまま死を受け入れることはできません。なぜなら、それは愛する結花との永遠の決別を意味しているからです。私の脳裏には、魅力的な微笑みを浮かべている結花の面影がはっきりと浮かんできました。 cool18.com

  「ど、どうしたら・・・治るんでしょうか?」 cool18.com

  私は、うわずった声で、小島の目を凝視しながら尋ねました。 cool18.com

  「いや、これは、手術するより他はないですな。しかし、普通の手術ではないので・・・。」 cool18.com

  小島の言葉は、私の心に、より一層の不安をもたらしました。 cool18.com

  「先生、それは・・・どんな手術なんですか?」 cool18.com

  私は、できる限り冷静に尋ねました。 cool18.com

  「いや、要は、一方のホルモンの活動を抑えてやればいいだけなんだが・・・。なかなか、難しい手術でなぁ。」 cool18.com

  「そ、それをすれば・・・・手術を受ければ・・・治るんですか?」 cool18.com

  私の叫ぶような質問に、小島は、うなずきながら、 cool18.com

  「ああ、成功すれば、完全に治る。ただ、難しい手術だからな。成功の確率は五十%だが・・・。」 cool18.com

  「五,五十パーセント・・・」 cool18.com

  私は、思わず小島の口から出た数字を繰り返しました。 cool18.com

  つまり、成功するか失敗するか、いえ、生きるか死ぬかの確率が半々だということです。それは、あまりに危険な賭だと思いました。しかし、もしこのまま放置すれば、確実に死が訪れてしまうのです。結花との生活だけを夢見ていた私には、もはや選択の余地はありませんでした。手術をし、成功すれば『完全に治る』という言葉を信じて、手術に同意するしかなかったのです。私は、小島の差し出す手術の同意書に、震える指でサインをすると、小島の目をすがるように見つめながら、絞り出すような声で言いました。 cool18.com

  「お・・・お願いします・・・先生。ぼ・・・僕を助けてください・・・。」 cool18.com

  ほどなくして手術室に運ばれ、麻酔注射を打たれた私は、全身から力が抜けていき、やがて深い眠りに落ちたのでした。

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